2019年10月24日 01時56分
卵をプレゼントしてくれた紳士
旅をしているといろんな人と出会う
今日は同じ場所まで行くと言う紳士に出会った
わたしは初めて行く場所だからその相手を当てにしてついて行くことにする
道中特に話す話といったら貴女の好きなもの話し
余程好かれてるんだろうかと勘繰ってしまう
貴金属の1つでももらえるかなと期待してキラキラしたものが好きだと言うと満足げにうなづかれた
旅も終盤
宿屋で寛いでいると紳士がノックをしてやってきた
これを君に、と渡されたものはキラキラしたたまご?のようなものだった
わたしはこれを君に持っていてほしいと熱情をもって接してきた
そんなに熱くなる物なのか口説く為の言い訳なのかよくわからず、卵を受け入れると、ありがとうと抱きついてきた
あ、まずい、と思ったら暗転
紳士は手際が良かった
あっという間に真っ暗で押し倒されキスをされていた
たった時間は思い出せないけど、そう言う時間が経ったんだなあと言う気だるさを感じる
するとどうだろうお腹が膨れ上がっているではないか
まさか一回ですぐそうなるはずはないと横にいる相手に問いかけようとすると、暗闇の中に一人筋肉質な男がいることに気がつく
男は、お前助けてほしいか?とだけ言って問いかけてきた
わたしははいと言うと紳士が目を覚ました
筋肉質な男は少し腹に荷重しようとすると紳士がやめろお!と狂ったように抵抗してきた
加重されたお腹からは猫のぬいぐるみやクマのぬいぐるみのなりそこないが出てきた
意味がわからなかった
なにを言ってるかわからないと思うがそう言うしかない
徐々に小さくなっていく腹に対して紳士の絶望の顔ったら無かった
この男はこうやって女に荷物を運ばせていたのさと言う筋肉質の男の声がやっと耳に入ってきた
でもぬいぐるみでしょ?と問うと、あああれはそういう風に変えられた死体なんだといわれると吐き気がもようしてきた
いつの間にか縛り上げられた紳士はただ僕のせいじゃないとだけ呟く人となっていた
碌でもない同行者だったと思い出すのはそのくらいよと、酒場のママはなんともなしに語っていた
深緑のドレスにルビーのイヤリングが似合っている
おわり