恋する寝台特急物語12

9月半ばの福岡。博也は入社試験のため福岡にいた。しかし、平日の為とわこには会えなかった。雑念を振り払い、入社試験を受けた。受けた後は、新幹線で東京へ帰ることにした。博多駅で列車待ちをしていると、とわこからメールが来た。
(試験はどがんやった?)
(印象は良かったよ)
(そうね。でも、会われんとは寂しかね)
(そうだな。まだ授業中だろ?着いたら連絡するよ)
(うん。気を付けてね)
(有り難う!)
博也は新幹線に乗り込んだ。
1週間後、内定の通知が来た。真っ先にとわこに連絡した。とわこも喜んだ。冬休み迄、後少し。バイトに励んで、貯金をすることにした。
11月。クリスマスを東京で過ごしたいと、とわこから提案があった。博也は喜んで受けた。イブ、本番を東京で過ごす。友達以上恋人未満の関係になっていることは、二人とも気付いていなかった。しかし、好きと言う気持ちは、二人の間に芽生えている気がした。