恋する寝台特急物語5

朝8時。博也はとわこを起こさない様、そっとベッドから出た。近くのコンビニで、パンと卵を買い出し、急いで家に戻った。リビングに行くと、とわこがいなかった。一緒に朝食を食べたかったので、コーヒーを飲みながら待った。9時半にとわこが降りて来た。
「おはよう。パンでいいかい?」
「うん。いいよ」
「じゃあ、今から用意するね。コーヒー飲む?」
「飲む。ブラックがよか」
「わかった。その間に着替えておいで」
博也は手早く準備した。すると、とわこが現れた。
二人はいただきますをしてから、食事にありつけた。
「今日はどこ行く?」
「そうね。浅草の浅草寺と、池袋のサンシャイン水族館に行きたか!」
「そうしたら10時半に出よう」
時間になり、家を出た。とわこがまた腕を組んできた。
「暑くない?」
「だって、デートやけん、よかやろ?」
「まぁ、デートだね。うん」
浅草寺でおみくじをひいた。
「私は大吉ばい!博也君は?」
「俺、凶が出た…」
「あはは!」笑っているとわこが可愛く見える。
水族館に行き、とわこがはしゃぐ。さらに原宿迄行き、服も選び、食事もした。
ここで、とわこの携帯が鳴った。
「お母さんからだ」
「出なよ。大事な事かも」とわこは電話に出た。
「もしもし?うん。今東京にいる。うん明後日のさくらで帰るから心配しないで。うん。又帰る前に連絡するけん。じゃあね」と電話を切った。
「明後日のさくらか」
「うん。あまり長居は出来ないけんね」
「そうだね。心配かけるのも良くないしな。切符は買った?」
「まだ寝台の切符は買ってないと」
「ちょっと待ってて」といい、博也は窓口に行った。
「これ、さくらの切符。残り1席だった」
「え?悪かよ。ご飯代払ってないし」
「いいよ。またバイトで稼ぐから」
「…有り難う」
「じゃあ、そろそろ帰るか。今日は焼肉にする?」
「何でもよかよ」
「決まり!じゃあ、行こうか」
「うん!」二人は腕を組んで歩いた。
今夜も同じベッドで寝ることにした。