恋する寝台特急物語2

「間もなく横浜です」アナウンスが流れた。
「ふぁー。よく寝た」
博也はカーテンを開けて、隣の寝台を見た。
(あれ?いないなぁ)博也は、歯ブラシを持って洗面所へ向かった。するととわこが髪をといていた。
「おはよ。よく寝れた?」
「うん。お酒ば飲むとよく寝れるね」
博也は歯を磨きながら、とわこに聞いた。
「ところでさ、宿は決めてるの?」
「あ!いけない。まだ決めとらんとさね」
「マジ?この時期、東京は一杯だよ」
「どうしよう…ちょっとしか観光できないのは面白くないし…」
「うーん。そそそしたらさ、おお俺ん家泊まる?親は10日間、北海道行ってるからさ」
「まさかいやらしかことば、するっちゃなかと?」
「しないしない!約束する!一人でいてもつまらないし、良かったらと思ってね」
「ホントに何もせんね?」
「約束する!だからおいでよ」洗面台にハミガキ粉を出す。
「じゃあ、3日間だけお世話になるね」とわこは笑みを浮かべた。
東京に着いた。二人はホームには熱気がこもっていた。
「暑かね…じめっとする」
「東京はこんなんだよ。乗り継ぎするから付いて来てね。複雑だから迷子になるよ」
「じゃあ、こげんすればよかたい」とわこは博也の腕を組んだ。肘にはとわこの胸が当たる。
「あはは。これなら確実だよ」気にせず歩き、乗り継ぎした。