新幹線恋物語4

4月。桜が満開の日となった。休日、恵が花見をしようと持ちかけた。料理は恵が、飲み物類等は進一が準備することにした。いつも、週末に会って飲むだけなので、たまにはということで決まった。場所は大阪城公園だ。最寄りの駅で進一が待っていると、恵が現れた。いつものスーツ姿でなく、ワンピースで現れたから進一も驚いた。
「おはよ。びっくりしたよ」
「エヘヘ。似合ってる?」
「ああ。似合ってるよ」
「有り難う!早く行こ?場所が無くなっちゃう」
公園に行き、場所を見付けてシートを広げる。
恵は弁当箱を取り出した。
「はい、進一の分ね」
「おお!有り難う、開けていいか?」恵が返事をする。
「旨そうだ。いただきます」
「どう?美味しい?」
「うん、旨い!唐揚げ好きだからな」
「良かった」
食事を終えると、無言の時間が続いた。その時進一が口を開いた。
「俺たちさ、呼び捨てでもいいんじゃないか?」
「そうだね。そろそろ呼び捨てでもいいよね」
「恵」
「進一」
お互い、肩に寄りかかった。