当然ですが、みなさんは占いは好きですか？

私はヒモテだからか、自分に自信がないからか分かりませんが、
雑誌の隅に載っていると、思わず読んでしまうくらいには好きです。

この小説の主人公は、OLをやめて、占い師に転職した女性のお話です。
いろんな悩みを抱えた人々が、彼女の元にやってきます。

ですが、彼女は特殊な占いの力を持っているわけでもなく、
持ち前の観察力と直感で依頼者と向き合い、ほんのちょっとだけその人の背中をおしてあげます。
作中でも、自分のことをインチキ占いと言っています。

占い師の仕事について、
「結局適当なことを言って、来た人の背中を押してあげるのが仕事なのよ」という台詞にあります。
迷っているときでも答えはその人の中にあって、その背中をほんのちょっとだけ押してくれる。
占いって、そんなものなのかもしれないです。

彼女と、依頼者さんたちとのお話を読むにつれて、
優しいような、どこかほっこり前向きになれるお話でした。
小説は四つの短編集で、読みやすいです。
気負うことなく軽く読めるので、ちょっと疲れてたり、優しい気持ちになりたいなと思ったときにおすすめの本です。


https://www.amazon.co.jp/dp/4167768011
（表紙もかわいいです）