ねことらの日記

2016年01月11日 01時30分

An illuminated

隙間に合わない石ばかり集めていた


ふぞろいな手ざわりの中に
もし失った何かがあったとしても

一粒の涙さえぬぐえない渇いた指先が

感傷の切れ端をもてあそぶだけ




煙草の封を開ける
その真新しい香りに
今は全てを委ねていたい



僕らいつも
語り尽くした世界と
語り合えない世界の
どちらかにいて

ときどき行き場を見失うけど
行き止まりじゃない



僕らに装飾された
鮮やかな疼痛はきっと
隠す必要もないほどに美しい


それが報われる者だけに
許された証明なら

心に映る街の灯を
瞳の水面に浮かべて

この闇夜でいちばん
静かに輝く光になろう