山の中にある大きな施設にやってきた。
50mほどの展望塔もあり、その上から海も見えた。海も近いようだ。
塔の左側には休憩所のような建物も建っていて、人々が出入りしている。
老夫婦やベビーカーを押した親子なども見える。
塔のある方を海側とすると、山側には10mほどの高さの所に2階建ての建物が建っている。
大きな石で階段とスロープが作られているが、上り下りするためのものではないだろう。
真ん中には大きな広場があり、家族連れがシートを広げてお弁当を食べたり、ベンチに腰掛け日向ぼっこを楽しんだりしている。

私はそこから離れ、山側にある建物に入るため、入り口を探した。
少し歩くと広場と同じ高さに入り口があった。どこかのビルのような大きなガラス張りの施設だ。
高さ4，5階分くらいはありそうだ。
中に入ると特に目立ったものはなく、誰もいなかった。
目の前の階段を上がり、暗い廊下を進むとまた同じような入り口があった。
そこもガラス張りになっており、広場と塔が見えた。
ドアを出ると、大きな石の階段が広場まで続いている。
先ほどの山側の建物に出たのだ。
よく見ると塔の右側には、ため池のようなものもあった。
建物の中でも見ようと思い、中に戻ると、奥の方は真っ暗だった。
何かの気配はするが、廊下の先は暗闇だ。何も見えない。
身構えていると、その暗闇が何かを言ったような気がした後、すぐ気配が消えた。
と、外から悲鳴が聞こえた。
外に出てみると、広場の中央から大量の水が噴き出している。
別の所からも水が出ているのか、広場全体に水が流れ始めていた。
みんなは慌てて、塔やこちらへ逃げていた。
こちらへ来ようと大きな階段を登っている人もいる。
私は登ってきた人に手を貸し、引き上げた。
子どもを連れている人もいたので、子どもを先に抱き上げてから、手を貸した。
その中の一人に、下で持ち上げてくれた方がよかったのに、と言われた。
なんだこいつはと思いながらも、手を貸し続けた。
全員が登り終えた後、広場を見るとまだ水が流れ続けている。
建物の中に入ると、みんなが座り込んでいた。
廊下の方を見ると、暗いながらも先が見えている。
さっきの暗闇は何だったのかと考えたが、分かるわけもない。
一通り見まわすと、大きなケガをした人はいなさそうだった。
外に出てみると、相変わらず水はどんどん増えている。
塔の方にも何人か逃げ込んだようで、人影が見えた。
海の方も少し見えたが、様子は分からなかった。
突然、ため池の水が波打った後、下に吸い込まれていった。

という所で目が覚めた。覚えている限り、初めて見る場所だった。
水害さえなければ、ゆっくり出来そうな場所であった。
現実世界では、部屋の掃除をしてゆっくりしていた。
今日も朝、雨が降り、寒かった。