2015年10月17日 21時51分
20151017「過去の高速道路」
暗闇の中を歩いていた。どこを歩いているのだろう。
そう思っていると、だんだん周りが明るくなっていった。
今日は意識がゆっくりと体になじんでいく。
そこは高速道路であった。午前中だろうか、日差しがまぶしい。
たくさんの車が道路に停まっている。渋滞でもしているのだろうかと思ったが、そうではなかった。
人間どころか、動く物は何もなかった。道路や周りのビル、空気さえも動いていなかった。
そこは、何年か前に訪れたことのある場所だった。
動いていないということを除いて、何も変わってはいなかった。
あの時は、人もたくさんいたりしたなと思いながら、道路を歩いていった。
どこに向かっているわけではなく、ただ昔を思い出しているだけだった。
相変わらずそこに感情はなかった。
今日は意識がはっきりしている。
どうしてこんなことを思い出すのだろうと考えることができた。
最初に頭に浮かんだのは、走馬燈だった。だが、そんなはずはなかった。
生きることも死ぬことも決められないまま漂っているが、死のイメージはない。
だったら、死が近づいているのか。それもない。
ただの人間に未来など分かるはずもなかった。
過去にこだわっているのか。それもなかった。
感情はない。どうしたいという希望もない。
では、なぜこんなものを見るのだろう。そんな疑問が頭の中を駆け巡った。
答えはすでに出ているのに。
という所で目が覚めた。中途半端だが、そうでなければならなかった。
昔の場所を訪れるのは懐かしいものである。
現実世界では、車でコーナンに買い物に行き、録画していた思い出のマーニーを見た。
不思議な物語だった。
柊
帰りたいのは場所だけでは無くて、ですの。万物流転諸行無常ですの。
2015年10月17日 22時44分