2015年09月28日 23時59分
はぐるまサイクル
ブルースカイキーパー。硬質な遊魚。一匹のセスナがゆるやかに高度をあげる。ぼくは並走していて。自転車のスポークがきらきら回転しながら。車輪の音やハンドルをつたう微動。その凛とした規則性の中でくりかえし息継ぎをする。川辺で寝そべるひしゃげた葦の群れ。くろずんだコンクリートの橋脚。ホイップされた緑が湧き立つ、まだずっと向こう。捕捉された行方不明。まだずっと向こう。意味もなく立ちこぎしたり、ゆるやかなカーブの下り坂をワァーって叫びながら。なんかいろいろ、へたくそだけど、それでいい。
生きることを簡略化したい。それって願望。同型のレゴブロックをたてに積み重ねるように。さみしさってたぶん、ほそながいタワーのかたちをしていて。だれかに支えてほしくて揺れてる。やくそくされた幸福、うしなわれた幸福、ここにある幸福。それらを順序づけることはできなかった。それらはすべて等価で、精緻に配置された歯車だったから。きらきら回転する。それがぼく。それがきみ。かたむいたっていい。生きてるって言っていい。