2015年08月30日 19時23分
しめやかな晩夏の前奏曲
しわがれた梅の葉、その陰で澄む。
陽にあてられ焼けてしなびた夢のあとを受け取る。
苔むした岩肌にふれる。
つめたさとぬくもりが重なり合う手触り。
その湿り気は永続を擬態した不連続だ。
それらは対極的で相反しながら一定のバランスを保っている。
ぼくらも、そうなのだろうか。
均一な目覚め。朝はつむぐほどにほどけていく流れの中にあって。ただ、太陽はすでにしろい薄皮のなかで淀んでいた。
窓をあける。着替えを済ます。冷蔵庫をチェックする。
その一連の動作に、ぼくが入り込む隙なんてなかった。
炭酸水を飲みほして、飲みほして、異物で意識を洗浄する。エラーをひとつずつ解除していく。おはようございます。
うすい酸素を青い肺にとりこんで呼吸をととのえる。
だいじょうぶ。すべて正常だ。
おわらせるためには、はじめなくてはならない。
架空のピアノの前に座る。それは一秒にも満たない前奏曲のためだけに用意されたもの。
ぼくは全ての前提を奏でることはできない。入口だけだ。
まず、一歩。(渇きはつねに内側から)閉じながら開くんだ。(外側にむかっていく)なにもむずかしくない。(証明しろ)外殻を、ふるわせて。(証明しろ)
音を、ならせ。(放て)
ねことら
ありがとうございます(^^)
2015年08月30日 19時52分