ねことらの日記

2015年06月27日 23時12分

はがれおちたポスターに集約されたパラグラフ

ろくがつのあさ。それはレターパックに梱包された紹介資料みたいなうやうやしさで。そのあやふやな輪郭のなかでぼくは規則的に窒息する。



ながくのびた階段をのぼる。雑踏も車のクラクションも見えないエフェクターにかけられ、反響し、残響し、やがてあたらしい波にのみこまれた。

とくめいの足音、ふくざつな経路etc..いくえにもかさなりあう動線にからみとられたふりをして、自発的に迷子になる。

そして、いつまでもきみを待ちわびる。からっぽのスミノフのビンに、ろくがつのひかりをあつめながら。









とうめいなスクエア。水槽にしずめられた、いろとりどりのパズル。そのこどくな暗号はあふれるほど痛くて。すくいあげることはできなかった。

さびたトタン屋根や湿り気をふくんだレンタカーのシート、線香花火のぶよぶよした先端、金色の雨。どれだけ乱暴に寄り添う色彩に埋もれても、ぼくのなみだに色はなくて。そっと、まぶたで裁断する。




ぼくのことばののりしろはいつも乾いていて、うまく接着できないけど、もうそれしかできないから。


触れられない距離にいて、くりかえし、くりかえし、波紋をおくりつづけている。

波打ちぎわできみを待ちわびる。