いぐにんの日記

2011年12月19日 20時10分

【あさき】 この子の七つのお祝いに 【歌詞】

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「この子の稚<いとけな>きててが握る紅差し指は禍福よ」

貴方の遺愛のぼんぼり粛然と
灯点して暗夜に濡<そぼ>つ
私と子と交錯する雨音に心願

「散華と散り敷く涙も枯れた」

あれから幾年<いくとせ>
貴方が残したちぃさぃ幸せ
髪締め乍ら 夜な夜なこの子の為にと
子守の唄を 口遊み 徘徊<たもとお>る四肢

臥所<ふしど>の灯りに ゆらゆら寂寞
天井踊って 眼下に破れ
飛び散る手足が頭についたり
烔々<けいけい> いひひ と耳奥舐める

毎朝毎晩 舌掻きむしって 騒擾

反り返る

もういいかい もういいかい と笑む
稚拙な吐息で灸られても
この子のために

うしろの正面だあれ

白黒キネマの廃工場から流れる煙がこの子を包む
右手 左手 足 首 心音
蛇口に隠れた少女が飛び出し小さなこの子の姿に閃光
少しずつ食む

この 笑みも 心の埋み火 一切 誰にもやらぬ!
貴方が残した小さな幸せ守るために 白鶴
「溢れる汚水に片身を浮かせて!恥ずべき奴だ!」
ゲラゲラ讃える狐の団居<まどい>に背を向け
唇噛みちぎり ぼんぼり抱えて慟哭<どうこく>

ああ 静かに流れる音が
こだまして九十九<つづら>折りなす
小さな貴方の手を引き 生きていく
ひらひら 椿の散華<ざんげ>
同じ重さの掌にそっと頬よせ
火を灯す

言祝<ことほ>ぎとした 白雨 消え入る

白黒キネマの廃工場から流れる煙が眩き昇る
金切り声あげ大路に集まり跋扈<ばっこ>に散乱 縺れて不揃い
刻々次第に影絵となりて
化粧いた眼球親子に向ける
奥歯をならしてしたたる夫婦が
咫尺<しせき>で息吹く

壊手して足踏みする翁が
手遊びする媼<おうな>に耳打ちをしている


狐「ほらほら はやく 息 とめなくっちゃあ!
   背中にしがみついて 首刈るぞ」


点鬼簿くわえた白髪少女が神木登って爪立ち絶叫
咽び この子を 抱き締めた
狐の堵列は這いずり回って裂帛為い為いこの子を掴んだ
「嗚呼 この子だけは なくさぬように」

助けて!

女「耳 鼻 目 口 髪の毛一本 誰にもやらぬ!」
狐「おまえが望んだ幸せ ひとつも ひとつも 叶わぬ」
     髪の毛むしって嗚咽
     少女はもんどりうって笑う
老夫婦「隠してしまえよ この子が七つになるまで」

女「ああああ貴方!鯉のぼりが空に昇って行くまで!お願い!」

「この子に幸せの風が吹きますように」

ああ 貴方の足跡灯し歩く小さな背中を見て祈った
この子の七つのお祝いに 小さな折り鶴ひとつ 水上から流す
幸せ込めて 貴方は風に舞う

明らみ差し込む光の尾が笑み
貴方の遺愛の灯りを消し去り
大路を掠めて悠然と舞い
紙の木連なる閑居に消えた
狐の堵列は歪にくねって右顧左眄<うこさべん> 互いに食い合う
時折八ノ字に笑みながら

おやすみよ すやすやと かわいいこ
あなたは 目を閉じて
ただすやすやと おねむりなさい

崩れた積み木の下で抱く狐色の子
逃げていく

神木から落つ 少女の顔<かんばせ>爛れて泡吹き 金切り笑う
浅黄<あさぎ>に染まった男と女は利休鼠<りきゅうねずみ>の眼球こすって痙攣
劈く音して一瞥 先には
双眸を縫ったお狐様の行列が 股開く


もういいかい
まあだだよ
もういいかい
もういいよ

首転がる

「ああ この子が大きくなれば 貴方と過ごした日々がまた」
瞳は刻んだ硝子の回想
空を泳ぐ鯉のぼりだけは知っていた

あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・
あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・―

あ!

この子

よく

見たら

あーあーあーあー

お人形

帽子屋×ドルチ

いぐにゃんいゃほぉーい\(^o^)/

2011年12月19日 20時12分