2015年05月07日 17時22分
とある女と醜男(ストーカー)
大好きな女がいる。
顔も体もセンスも考え方も何から何まで理想だ。何度も愛を伝えたが、
彼女からは好きになってもらえない。。。
そこで俺は考えた。
ともかく働いて成功して金を作り、あらゆる手を使って彼女を物理的に確保した。
誘拐ともいうが、彼女が欲しくてたまらない俺は何が悪なのか考える必要もない。
彼女が土地勘のない場所の小綺麗な住居にでも押し込み、、、
もちろん確保したあとは、手荒なマネなんかするわけない。愛してるんだから。ただ、他の男を好きになることは、俺が死ぬより辛いことだ。だから、周りは塀で囲んでしまおう。他の男との出会いを無くせばいい。
暗い牢屋に閉じ込めるわけじゃない。陽当たりのよい部屋を用意し、小綺麗な家具一式揃えた。彼女の趣味で欲しいものは、ネットで購入させてあげる。
テレビもネットも食事も自由。たまには俺が料理をして、美味しい酒も出す。
俺は毎日愛を込めて挨拶をし、たくさん、話をした。小さな頃の話、趣味の話、今日あった出来事、冗談を交え、たくさん話しかけた。
彼女の反応は薄かったが、俺は毎日たくさん、話しかけた。
俺は彼女の顔や体を見るのが好きなんだ。笑顔はもちろん、この境遇に怒ったり泣いたりする顔も、大好き。
笑顔は、ほとんど見ることなかったけどね。
体も考え方もすべてを愛してる。彼女の考え方では、こんな理不尽な状況は許されることじゃない。当然だ。その当たり前の常識的な彼女の考え方が、とてもかわいい。涙流しながら俺を責める彼女が、愛おしい。
可哀想に、、こんな男に無理やり監禁されて、、でもね、愛してるんだ。俺ほど君を愛してる男は他にいないよ。君を幸せにしたいんだ。
そして無理やりセックスを強要した。
ありとあらゆるセックスを試み、徐々に彼女は、絶頂を迎えた。好きでもない男に無理やり毎日強要され、体が反応してくることは屈辱だったとおもう。嫌がる彼女を屈辱的に犯し、彼女の喘ぎ声を聞きながら果てるのは、この上ない幸せだ。
果てたあとも優しく抱きしめ一緒に寝たが、いつも彼女は後悔したようなうつろな目で体を丸めて頑なに心を閉ざしてるようだった。
彼女から求めてくることは一度もなかったし、俺はずっと肉体的快楽とは別に、満たされない気持ちが根雪のように積もっていった。それでも、彼女を失うよりは、ずっとましだ。
そしてそのまま一年間過ごした。
一年後、外出も許可した。ただし、必ず2人で。少し、彼女にも笑顔が見えてきた。2人のデートやショッピングは、とても幸せなことだった。
少しずつ心を開いてきた彼女は、俺を愛してるような気がする。彼女はセックスを楽しんでるようだ。そして俺は彼女にますます溺れた。
が、相変わらず、彼女が俺を「本当に」愛してくれる自信はなかった。
この状況で「しかたなく」この生活の「いいところだけ」に感謝してるだけだろう。嫌いな男に、殺されずに愛されるだけの不自由な暮らし。
不自由?たしかにそうかもしれないが、男に生活に困らないほど稼いでもらい、性欲を満たし、毎日過ごすことは、女の夢ではないのか?好きな時に寝て、好きな趣味はし放題、家事もしなくていい。これだけのことを与えて、愛してくれる男がどこにいる?なぜ、俺を「本当に」愛してくれないんだ。なぜ、俺はまだ満たされないんだ。俺だって幸せになりたい。。
と、その時だった。
突然、俺は足元から青い炎に包まれた。な、なんだ?体がよじれる。感動的な曲がどこからともなく聞こえてくる。青い炎につつまれ体をよじらせたまま空中約2メートルほどに浮かび上がってる?空からスポットライトが当たってるらしい。まぶしい。うあああああああ。
気がつくと、俺は地面に足をつき、すっくと立っていた。すごく気分がいい。たしか、さっき青い炎につつまれ、、あれは何だったんだろう。。
ふと、前をみると彼女がいた。目を見開き俺をまっすぐ見ている。今まで観たことのない目つきだ。何かがおかしい。彼女が小さくなったように思える。
彼女に「いまの、、」と声かけて驚いて言葉を止めた。聴いたことのない声。俺の声?おかしい。おかしい。おかしい。何かがおかしい。
いろいろ描写が面倒くさいので間を飛ばして鏡を見た。俺ではなかった。見たこともない美しいイケメンがそこにいた。だが、それは俺だった。
俺は呪いの魔法かけられてたイケメンだったのか!やっぱりなぁ、薄々そうじゃないかとは思っていたが、やっぱり呪いのせいだったのかあ。笑いがこみ上げてきた。
ふと、鏡のすみに彼女が見え、振り返った。
彼女は涙流しながら、驚きつつも、うっとりとした目つきで俺をまっすぐ見ている。俺は確信した。彼女はたった今俺を愛してる、と。
途端に俺の中で何かが消えた。
飽きた。
こじろー
まいたん、具現化してみました
2015年05月07日 17時31分