2015年03月08日 00時13分
こ・でぃぺんでんしぃ
ちょこちっぷクッキーをはんぶんこにするとちいさくなるけれど、それでもよかった。
はんぶんこにするほどおおきくなる、そんなものがほしかった。
ほめられなくてもいい。
かんしゃされなくてもいい。
ぼくをみてほしい。
ただそれだけで。
きみはふかふかしたキャメルのコートにみをつつんで、だいすきなランプシェードをぶっしょくしていた。
ひとつひとつ手でふれながらなにかをつぶやいていたけど、ぼくはたいしてきいてなかった。
きみのはぐるまの調子がわるい時は、きまってここにつれてくる。がんじょうだけど、こしょうしやすいから。
ぼくはなるべくほほえんであいづちをうつようにしてた。
けれど、なぜきみがランプシェードのぬくもりをひつようとしてるのかを、きかないようにしていた。
きっと光源にふれてしまうと、ぼくまで焼けてしまうから。
ぼくはあいづちをうって。
たぶんきみもわらってる。
いくつものほそいひかりのたばを浴びながら。
ぼくはぼくのものがたりの主人公だけれども、きみのものがたりの登場人物でもあって。
いまのぼくがそのどちらに所属しているのかわからないけど、そんなことはどうでもよかった。
いつも線引きはむずかしい。
ぼくらはきっと何かの片割れでもないし、独立した何かでもないけれど、たぶんだいじょうぶだよ。
だから。ふくざつな二次曲線をフリーハンドで書くみたいな、ぶきようさで。きみをだきたいな。いますぐ。