アンダークールドの日記

2015年01月23日 03時32分

慕情の刃

後悔とたらればに囚われている。そしてどうしてそう思うかの理由も何となくわかっている。だけど、それだけは認めてはいけない。

あなたのことは好きだったんだろう。だけど、それ以上に自分が好きで大切だったんだろうと。あるいは自信がなかった。「あなたは幸せを手にするべきだ。でもそのためには俺と別れなくちゃならない」と、それはあなたが悲劇のヒーローの演出の一部に過ぎなかったということになる。

それはない、と拒絶していると同時に現実として俺が抱え込まなければいけなかった秘密が目の前に現れて、自傷と自死衝動に襲われる日々を送っていたことも、俺があなたとの関係を続けられない事柄として事実だった。

初めての彼女で、幸せなこともいっぱいあった。

初めて手をつないだときの、心も繋がっていたような感覚は、今でも鮮明に残る。

だけどそれ以上に苦しかった。愛そうとしたのに、好きだったのに、自分でそれをはねのけた。

そのはねのけたという事実が、矛盾を示している。

実際、別れ際に、俺は極めて快活に笑った。心の底から笑った。

好きであろう人との別れは、同時に苦悩からの解放でもあった。

どうして、あなたを好きなはずなのに、遺書を書いたのか、首をくくったのか。

幸せで不幸で、ごちゃごちゃして、忘れなくちゃいけないのに、今でも忘れられない。

俺に恋愛は向かないのかなぁ。思い出すとつらい。