ねことらの日記

2014年08月16日 02時04分

朝焼けのなかでしずかに融解する夢の温度

ぼくは、あなたの心にふれることができない、その言葉を正確に理解することも、表情や仕草をうまく読みとることもできない、なにひとつ知らないまま。


風にふかれて、また新しいなにかがなに食わぬ顔でやってくる。すこしだけ立ち止まってもいいけれど、たぶん、ぼくはまたどこかへむかう。孤独とはほんのすこし色合いのちがうさみしさ、心のどこかにしずかな叫びを隠したまま。すみわたる空。きずつきやすいブルーはどこまでもつきぬけていた。







とけたこおりで薄まったカルピスソーダみたい。白んでゆく空にぜんぶぼやけてしまって。朝焼けに沈殿する夜のにおいが混ざってあたまがズキズキしてしまう。



そっと電気を消す。つくえには灰皿とシーブリーズのボトルとお気に入りの腕時計と。夜を明かすのはエネルギーがいるね。一日のおわりとはじまりをつなぎとめる必要があるから。ぼくらは意味づけするのが苦手で。だから、誰かの手で、誰かの言葉で。やさしく分解してほしい。そんなことを夢みながら。







言葉をひとつひとつ折りかさねていく。その先端であなたのための文字を書く。それは架空の文字で、雨上がりの街の匂い、とおくの遮断機の音や見上げる空の濃淡にそっとしのばせておいて。読まなくてもいいから。僕はそこにいる。