2014年08月03日 00時59分
on the road, on the road
日々は不規則にループしながらぼくらのすき間をとおりぬけていく。そこにはなにかしらのメッセージがあるかもしれないし、ないかもしれない。昨日をわすれるために生きる今日はまた明日のなかにまぎれてしまうね。わずかな安心を手にするために傷あとをひつようとしている。
なにかに対して誠実でいたいと思う。そうしないと埋もれてしまいそうだから。ときどき押しつぶされそうになる。でも気がつけばうわのそらで。泣きたい気持ちもおだやかな気持ちもほんの紙一重で、どちらに傾いたとしてもぼくらはあおく透明な涙をながしてしまう。
終電を見おくったあと、線路沿いのながいながいこみちをあるいた。無機質な駐車場や、ひとけのない廃屋や、うなる変電所も過ぎて。電線のすきまではいくつもの星が明滅していて。そっとあるく。踏みしめるなまあたたかい夜の破片は、すこしずつ砕けながら、音をたて、鈍くひかり、ぼくはすこしずつ、この夜の一部になる。
繰り返し明滅する日々のなかで、ぼくはぼくをそっと遮断していく。ひとつひとつ丁寧にプラグを抜いて、差し替える。わるくなった部品を交換する。とめどないフォーマットと再構築の波に揺られて息をする。生きる意味とか価値とか。どれだけ必死になろうとも証明できるものは何ひとつないかもしれない。だけれど、果てない夜の向こうがわにうまれる、たよりなくほそい灯を照らしつづけることはできる。いつまでもたどりつくことのない、ぼくらの瞳ににじむ灯だ。