2014年07月06日 22時16分
初夏の午後にひそむ紙一重の安心
ドラッグストアに陳列されたチカチカするパッケージをみていた。ひつようなものをひつようなだけ。選ぶのは簡単でも決めることはむずかしい。
シートを倒して居眠りのふり。ひとりかくれんぼ。駐車場はひんやりとした墓地みたいで居心地がいい。スマートフォンの中の連絡先をスクロールする、冷たく眠る、もうかけることの電話番号たち。ぐっどばい、ぐっどばい。だれかの祈りに寄り添いながら。
距離感がたいせつだ。たとえば駅のホーム。とおくから聞こえる祭の雰囲気が好きだった。だから大切なひとの鼓動もワンクッションおいて感じたい。遠くにあるぬくもり。手をのばせば届く安心がいい。もう、眠りたい。
うすっぺらいカーラジオの音楽に耳をかたむけて、初夏のまどろみの中で息をしている。
ぼくは誰からもひつようとされてないかもしれない。もしかして、きみも同じかもしれない。べつにそれでもいいし、声にだして泣いたっていいし。でも、それはきっとさみしさじゃない。手をのばせばそこに。