2014年06月22日 19時29分
連続再生される雨に映る物語
ぐっどもーにんぐ、えぶりわん。きづけばひんやりつめたい毛布にくるまれてた。目ざめる瞬間がすき。自分を起点として世界が拡散していく音がする。
うなるエアコンを消して、窓をあけた。雨はふりつづいている。雨はアスファルトをながれ、水田にくりかえし波紋をひろげ、ライムグリーンのマツダデミオをぬらしていた。きみからの返信を確認しようとしてやめる。いいわけを考えたくなかったから。
ぼくらは与えられた不等号にさまざまなものをあてはめるゲームをしている。たとえば、それは売場にならんだデジタル一眼レフだったり、人間だったり、形のないものだったり。ルールは簡単だった。ゴールがないだけで。なにかひとつを守りぬくことなんて、できないかもしれない。かなしいけれど。
雨はもうすぐあがるだろう。そのときはその余韻をひとつひとつひろいあげて、きみに届けてみたい。マンションの踊り場のほのかな灯り、とおい遮断機の音、あざやかな薄墨色の夜のこと。もっときれいな言葉で。