2011年12月09日 17時10分
子供作り方
おにゃがあします
卵管の中で精子は2日から3日間生きることができます。このあいだ卵管の中にたどり着いた精子は卵巣から卵子が排卵されるのを辛抱強く待つのです。もし精子が卵管の端にたどり着いたのが排卵が起こってしまってからだとしても、排卵から12時間以内なら卵子は元気ですから精子はまっすぐに卵子に向かって進みます。
卵子を受精させるのに必要な精子は1個だけなのになぜ何億匹もの精子が作られるのでしょうか。それにはちゃんと理由があるのです。まず、精子の生存競争はきわめて激しいものだということがあげられます。射精された何億匹かの精子のうち卵管の中、卵子の近くまでたどり着くことのできるのは数百匹にすぎません。
そして卵子の近くにたどり着いても卵子はそのまわりを透明帯という精子にとっては分厚くて固い膜におおわれています。この膜を突破するのには精子の先端にあるヒアルロニデースという特別な酵素の働きが必要です。でも一匹の精子が持っている酵素の量ではどうやっても透明帯を突き破ることはできません。何匹もの精子が透明帯にアタックした後、幸運な一匹が卵子の中にはいることができるのです。精子が透明帯を通って卵の中にはいるときには精子は頭から卵子に向かって突っ込んでいきます。頭が卵子の中にはいると尾は外側に取り残されます。
一匹精子が入るともうそれ以上精子が入ることができないように透明帯の性質が変わってしまい、他の精子をシャッタアウトしてしまいます。こうして一つの卵子には一つの精子が入るという巧妙なメカニズムができているのです。精子が卵子の中に入るとその後、数時間の間に赤ちゃんの設計図とも言える卵子と精子の遺伝子を持った2つの核が大きくなり、卵子の真ん中に移動します。そして最終的には2つの核が癒合して1つの核になり受精が完了します。その後受精した細胞はどんどん細胞分裂して増えていき、約266日後には立派に成長した赤ちゃんが生まれるばかりになります。
この驚異的な細胞分裂と赤ちゃんの体の形成のうち卵管の中で起こるのは最初の数日だけです。受精した卵子を受精卵といいますが、この受精卵は受精後3日間かけて子宮に運ばれます。卵管はそのあいだ受精卵に栄養や電解質、酸素その他受精卵の発育に必要な物質を供給し続けます。受精後3日目に子宮にはいった受精卵は7日目までは子宮の内側に浮かんでいます。そして、受精後7日目、すなわち月経が始まってから数えると21日目頃には表面に絨毛という小さな根のような組織ができて受精卵はどこでもいいから近くのもぐり込めるところに根を張ってもぐり込みます。
ですから、受精後7日目に受精卵が子宮の中にいるということは非常に重要なことなのです。もし、子宮の入り口から外に出てしまっていたら受精卵が取り付くところがありませんから妊娠できません。逆に子宮の中にたどり着くのが遅すぎると卵管の中に取り付いて子宮外妊娠ということになってしまいます。
ちょうど子宮の中に受精卵がいれば子宮の内側の子宮内膜は受精卵の到着に備えて厚くなっていますから、受精卵はそこに取り付きます。一度子宮内膜に取り付いた受精卵は絨毛を生やして、まず子宮内膜の一番表面の細胞を溶かし、受精卵がさらに深くへもぐり込むための準備をします。さらに絨毛はどんどん子宮内膜の奥に入っていって、お母さんの血管から胎児の発育に必要な栄養や酸素を受け取るようになります。これを着床といいます。受精卵は普通、子宮の奥の子宮体部に着床します。この時期の受精卵は肉眼では見えません。また次の月経の時期も来ていませんから母親は妊娠したことに気づきません。しかし何日かすると乳房の張りとか、軽い吐き気とか、下腹部が重い感じがするといった妊娠のごく初期のサインが表れるかもしれません。
もし、受精卵が着床すると女性の体は直ちに反応して、その次の月経や排卵が起こるのをストップさせます。これは絨毛で作られるhCG(絨毛性性腺刺激ホルモン)というホルモンの働きです。
hCGはお母さんの血中に分泌されますがこのホルモンは卵巣の黄体を刺激してここからもっと多量のエストロゲンやプロゲステロンを作るように働きかけます。エストロゲンやプロゲステロンがたくさんあると視床下部や脳下垂体に作用してFSHを分泌しないようにしますからそれ以上卵胞が大きくなって排卵することはなくなるわけです。
また、着床が起こったときには黄体から多量のエストロゲンやプロゲステロンが分泌されますから月経は始まらず、子宮内膜はさらにどんどん分厚くなって、妊娠をサポートできるように変化します。プロゲステロンは全身の筋肉を柔らかくリラックスさせます。そしてエストロゲンは乳房を大きくして来るべき授乳に備えます。
2011年12月09日 17時12分