一般的には卑猥な話だしあまり公に語るものではないと思いつつも、最近よく考えていることがある。例えば映画などで、現実の絶望感や閉塞感を表現するのに、孤独で惨めな慰めの行為を描写する必要があるんじゃないかということ。
もちろん映像としてリアルである必要はない。それを意識させる描写が必要だという話で。男女のそれを描くこと多いが、孤独で惨めなそれはあまり描写されることがない。それはおかしい。男女のそれよりも孤独で惨めなそれのほうが身近な人はいるだろうし、むしろそっち側の人間としては共感しやすい。

Mr.Orange

陰鬱で、絶望と閉塞感に満ちていて、そんなドン底の世界にほんの少しの、ささやかな光がさす。それだけで良い。リアルに底辺で惨めな僕らに、少しでも希望がある世界を、夢を見させてほしい。だけどそんなささやかな夢さえ破れていく。現実の僕たちに対して、やっぱりだめだったよね、でもそれでもまた明日もなんとか生きていけたらそれで良いよね…そんなふうにとても悲しく優しく傷口をなめ合うような、そんな映画を撮りたい。これは僕にしかできない。

2021年03月23日 03時51分

Mr.Orange

隠されてきたものをちゃんと表現したいよ。そして、真面目に、ちゃんと向き合いたい。おかしいものは、おかしいよね。そして、おかしい社会に生きる僕たちはやがておかしい社会の一員として、クズな中年になり、壮年期を迎え、孤独に、忘れ去られ、社会の除け者にされて、朽ちていくよね。誰もそれを直視しない。みんな、無かったことにするつもりなんだろう。でも、そんなことはさせない。ちゃんと光を当てて、ちゃんと見つめたい。そして受け入れたり、告発したりして、社会のみんなに伝えたい。ちゃんと考えて、感じてほしいよ。

2021年03月23日 03時56分