朝はパン パンパパン

「スプーン?ジャム?」
「フライパンに落としちゃったの!」
「ちょっとなんの騒ぎ」
察しの悪いお父さんに苛立っているとお母さんがのそりと台所に入ってきて、冷静にコンロの火を止めてスプーンをつまみ上げた。あ、そっか、火を止めればよかったんだと今更ながらに気がつく。
「なるほどねえ。男の子に作るお弁当だからって変に気合入れすぎ。いつものでいいのよ、いつもので」
私の火傷の具合を診ながら事情を聞いたお母さんは、呆れたように笑いながら言った。ちなみにお父さんは遅れちゃうからと一人でパンを焼いて、お弁当のおかずの残り物で朝ごはんを食べている。もうそんな時間なのだ。