朝はパン パンパパン

「なにしてるのミサキ?置いてっちゃうよ」
「ごめーん、今行くー」
とっさにポケットにイヤリングを突っ込んで、すこし離れたところでわたしを待ってるサクラちゃんたちに追いつきました。ゆるゆると帰路につきます。
「けっきょく影も形も見えなかったなあ」
「僕達でもあっさり捕まえられるような奴なら、とっくに猟師の手にかかってる」
「ちょっとソウマ、そう思ってたなら先に言ってよ」
「お前らも承知の上だと思っていた」
「こいつ…」
「ほんと、いい性格してるぜ」
サクラちゃんが拳を握りしめ、カナタくんが苦笑いしています。いつものやり取りをするみんなを見ながら、わたしは考えていました。