朝はパン パンパパン

前よりも軽い足取りで、俺はコウちゃんのもとを訪ねることができた。昔みたいに、自分家みたいに気軽にとは行けないけど、それでも大きな進歩のように思えた。
それはともかく。
「なんだよ、その条件。僕にわざわざ出向け、ってこと」
事の次第を報告しての、コウちゃんの返事がこれだ。
ほめられはしないまでも、労いの言葉くらいはあるかなあというのは甘い考えだった。
そこからぐちぐちと続くコウちゃんの言葉を聞き流して、俺は思ったことを口にした。
「でもさあコウちゃん、学校じゃなかったらどこで金城に会うのさ。金城をここに呼ぶのも、嫌じゃないか?」
図星だったようで、しんと沈黙が流れた。