朝はパン パンパパン

藤崎さんが来てくれなかったら、俺は金城を殴っていたかもしれない。そうなってたら、コウちゃんに謝らせるどころの話じゃなくなっていた。
「まったく、説得するはずが殴ろうとしてどうすんの。ミイラ取りがミイラになるじゃないけど、殴ってたら次はあなたが酷い目にあわされてたかもよ。行動するのはいいけど、少しは考えてからにして」
なにも言い返せる言葉がなく、うなだれるしかない。でもしょうがないだろ。コウちゃんのことを、あんな風に言われたら。
「まあ、あいつの言い分にはあたしもイラっとしたから、ちょっとスッキリしたけど」
まじまじと藤崎さんの顔を見ると、うっとうしそうににらまれた。