朝はパン パンパパン

その後、コウちゃんはだんだんと学校に来る日が減り、教室にまったく姿を見せなくなった。ついには外に出ることもなくなり、自分の部屋に閉じ籠るようになった。
それをさみしく思いつつも、いじめられているコウちゃんを見なくてすむことに、ほっとしていた。
俺がまいた種でコウちゃんが追い詰められたというのに、なんて自分よがりな考え。
なにがあっても助ける。ふたりだけの秘密のミソイダー下敷き。
俺はふたつもコウちゃんとの大事な約束を破り、裏切ってしまった。それなのに今はのうのうと、中学校に通っている。新しくできた友だちとときには笑っている。
笑うたびに、針で刺されたように胸が痛む。