「あいたた!」
割烹着を着て頭に手拭いを巻いた銀子さんが腰に手をあてています。その隣ではお揃いの手拭いを巻いたおあげがかごから山菜を取り出しています。
朝から見かけないと思ったら山菜採りに行っていたのですね。
「ザッツライト!見て見て!こんな大きなきのこも採れた!」
おあげがかごから引っ張り出したのは、ソフトボールくらいの大きさの、黒地に赤い玉模様という見るからに怪しいきのこです。
「これを丸ごと炭火でファイヤー!緒方さん、ご飯だよ!」
「おお、うまそうなきのこじゃないか!」
一口かじるとおもむろに服を脱ぎ、奇声をあげて裏山に走り去ってしまいました。
「きのこの影響…?」
緒方さんですから。