朝はパン パンパパン

お母さんはおやつによく蒸しパンを作ってくれた。
ちいさい頃のわたしは食が細くてご飯をあまり食べられない子どもだった。ちいさなおにぎりをふたつ食べただけで満足してしまうわたしは同年代の子どもに比べてひょろひょろして身長も伸びなくて、そんな頼りない娘を見てお母さんはひどく心配した。
お父さんは楽観的なひとだからちいさい頃はそんなもんだよとあまり心配してなかったらしい。
もうちょっとでいいからご飯を食べてくれないかなあと頭を悩ませていたお母さんはふと、自分が子どもだった頃お母さん(わたしにとってはおばあちゃん)が作ってくれた蒸しパンを思い出した。