お盆休みも終わりまた発酵の日々です。緒方さんは久しぶりのお仕事とあってこの世の終わりのような顔をしています。
「ああ、夏休み…。まだ8月だというのに私はもう働かなければならないのか」
私たち発酵食品を長い間ほっぽっておかれても困ります。なんせ発酵食品はさみしいと腐ってしまいますからね。
「なんて面倒臭い奴らだ。いっそ少しくらい腐った方が味が出るのではないか」
馬鹿なこと言わないでください。美味しくても食べたひとがお腹を壊してしまっては大変なことですよ。
「これを闇発酵と名付けて研究すれば新しい可能性が…」
生まれるわけないでしょう。屁理屈並べてさぼろうとしないでちゃんとお世話してください。