朝はパン パンパパン

白パンのひんやり効果で眠くなってきたのか、体を起こそうとするも力が入らない。台所から聞こえる音はさっきより大きくなり、やがてコンロに火をつける音が聞こえた。焦げパンのやつ、火なんかつけて火事になったらどうするつもりだ。
まさかこいつら、最初からそれが目的なのか。
俺に懐いたふりをして油断させ、その隙をついて俺をトーストにしようと…?寝ている場合じゃない、早く火を止めないと。
気力を振り体に力を込めると白パンがふんわりと俺の額を撫でた。ひんやりとしたそれはどこか母の手に似ていた。
「パン~パパン パン~パパン」
白パンの子守唄により俺の意識はまどろみの底へと沈んでいった。