朝はパン パンパパン

「昴くんと話せたおかげでわたしはぐっすり眠れて、翌朝起きたときには何をあんなに動揺してたんだろうってくらいに落ちついてたよ」
美談のように語っているけど咲希さんは寝落ちしただけだし、おいてけぼりにされた僕は悶々としてあまり眠れなかった。まあそんなことは言わぬが花だろう。
「よくよく考えたらわたしはもう家を出ているから新お母さんと関わることはあんまりないし、お父さんの老後とか考えたらひと安心で、なんだいいことづくめじゃないと」
「そっか、咲希さんは同居するわけじゃないのか」
その点はすごく羨ましい。新お父さんがいる生活なんて考えるだけで胃が痛む。