台湾有事と言ってるけれど、アメリカ、中国、日本の上級市民が
儲かりたいために戦争したがってるんだよ。
命を落とすのは前途有望な青年兵士と戦地の住民だよ。
繰り返して言うが戦争は儲かるやつがいるから起きるんだよ。
反戦について語ろうぜ
反戦は左翼がかってるというのは本当です。
第一次世界大戦前には第二インターナショナルは全ての帝国主義戦争に反対していました。ところがドイツ社会民主党は反戦の立場を放棄し、祖国防衛主義に転じ、戦時国債発行に賛成しました。このことは世界の社会主義者に大変な衝撃を与えました。
左翼がかってない反戦映画・小説ならば、やはり
『西部戦線異状なし』『ジョニーは戦場に行った』の2作品でしょうね。これらの作品を観たり、読んだりすると本当に戦争が嫌になります。
戦争したくてたまらないのは財界からしこたま献金もらっている
老人保守政治家どもで、そいつらの戯言に乗せられて戦場で死ぬのは
貧乏な労働者や農民の若い息子たちと相場は決まっている。
国民の生命と財産を守るための必要最小限度の防衛力なんて嘘っぱちだ!
本音はアメリカと一緒になって戦争始めて軍需で大儲けすることしか
考えてない。
低空飛行の大原タエさん 軍需工場だったので米軍の空襲を受けたんです。焼夷弾や爆弾や機銃掃射を受けて亡くなったそうです。さぞ無念だったことでしょう。大事に供養していきたいものです。
2020年08月09日 11時53分
空いた席 ジャン・タルデュー
死んだ人たちが還ってこなかった以上、
生き残った人たちは何を知るべきなのか?
死んだ人たちが嘆くすべのない以上、
生き残った人たちは誰のことを、何のことを嘆くのか?
死んだ人たちがもう黙ってはいられない以上、
生き残った人たちは沈黙を守るべきなのか?
『詩人の光栄』より
「西部戦線異状なし」での兵士たちの会話
すると今度はクロップがはじめた。
「おれにも一つ合点がいかねえことがあるんだ。一たいあのカイゼルがいいと言わなくってもよ、戦争って奴ははじまってたものかなあ」
「それはそうとも」と、僕は口をさしはさんだ。……
「なんでもカイゼルは、初めっから戦争やる気はなかったって言うじゃねえか」
「それはカイゼル一人がしねえったって駄目よ。世の中で二十人も三十人も戦争をやらねえと言ったら、そりゃあいいかもしれねえがなぁ」
「そこよ、そこよ」と僕は賛成して、「ところがみんな戦争したかったんだ」
「だがまったく滑稽だなあ、ようく考えてみると」とクロップは言葉をつづけて、「おれたちはここにこうしているだろう、おれたちの国を護ろうってんで。ところがあっちじゃあ、またフランス人が、自分たちの国を護ろうってやってるんだ。一たいどっちが正しいんだ」
「どっちもだろう」と僕は言ったが、別にどっちも正しいと思っているわけではない。
「まあそうかもしれねえがな」
とクロップは考えたが、明らかに、その顔色には、僕を問い詰めて行こうという気持ちが読めた。
「だがドイツの豪え学者だの坊さんだの新聞だのの言っているところじゃ、おれたちばかり正しいんだっていうじゃねえか。まあなんでもいいからなるべくそういうことにして頂きてえがな。……だがフランスの豪え学者だの坊さんだの新聞なんかだって、やっぱり自分達ばっかりが正しいんだって、頑張ってるだろう。さあそこはどうしてくれる」
「そうなると、おれにもわからねえな」
と僕は言って、
「まあなんて言ったって、もう戦争なんだ。毎月毎月方々の国がだんだん手を出してくらあ」
そこへチャアデンがまた顔を出した。この男はまた乗気になってきて、すぐに僕らの話の中へ飛び込み、たちまちこんな話題を持ち出した。
曰く、そもそも戦争ってものは、どういうわけで起るんだと。
するとクロップは、多少豪そうな顔つきをして、返事をした。
「大がい何だな、一つの国が、よその国をうんと侮辱した場合だな」
チャアデンはわざと呆けたような顔をして、
「なに、一つの国だって。それがわからねえ。一たいドイツの山がフランスの山を侮辱するなんてことは、できねえ話じゃねえか。山でなくったっていいや。河でも森でも麦畠でもいいや」
これを聞くとクロップは唸って、
「貴様はそもそもそんなこともわからねえ馬鹿なのか、それともわざわざそんなことを言いやがるのか。おれの言ったなあ、そんな意味じゃねえ。ある国民がよその国民を侮辱した場合だ……」
「そんならおれたちはここで何にも用がねえじゃねえか」とチャアデンは答えて、「おれはちっとも侮辱されたような気がしてねえものな」
「よしそういうならおれが学科してやらあ」とクロップは腹が立ったように言って、「貴様のような田舎っぺが問題になるもんかい」
「それならおれは家へ帰ってもいいな」
とチャアデンが頑張ったので、一同わははと笑い出した。
「なに言ってやがるんだ。国民といったってよ、全体だよ。つまり国家ってやつだよ……」
と叫んだのは、ミユツレルだ。
「何が国家だい」とチャアデンは狡そうに指をパチリと鳴らして、「憲兵のよ、警察のよ、税金のよ、それが貴様たちのいう国家だ。そんなことの学科なら真っ平だ」
「そりゃあうまいことを言ったぞ」とカチンスキイは言って、「貴様初めて本当のことを言ったぞ。国家というものと故郷というものは、これは同じもんじゃねえ。確かにそのとおりだ」
「だがそいつは両方とも一つのものにくっついているからなあ」とクロップは頭を傾けて、「国家のねえ故郷というものは、世の中にありゃしねえ」
「それはそうだ。だが考えてみねえ。おれたちは貧乏人ばかりだ。それからフランスだって、大がいの人間は労働者や職人や、さもなけりゃ下っぱの勤め人だ。それにどうしてフランスの錠前屋や靴屋がおれたちの向かって手向いしてくると思うかい。そんなわけはありゃしねえよ。そいつはみんな政府のやることだ。おれはここへくるまでに、フランス人なんか一度だって見たことがねえ。大がいのフランス人だって、おれたちと同じこったろう。そいつらだっておれたちと同じように、何がなんだかさっぱり知りゃしねえんだ。要するに無我夢中で戦争に引っ張り出されたのよ」
「そんなら一たい、どうして戦争なんてものがあるんだ」
と訊いたのはチャアデンだ。
カチンスキイは肩をそびやかした。
「なんでもこれは、戦争で得をする奴らがいるに違えねえな」
「はばかりながら、おれはそんな人間じゃねえぞ」
と歯をむき出したのはチャアデンだ。
「貴様じゃねえとも。ここにゃ誰もそんな奴あいねえよ」
『西部戦線異状なし』エーリッヒ・M・レマルク著 秦豊吉訳 新潮文庫版より
2012年06月25日 22時15分
戦車の登場
芥川龍之介 「侏儒の言葉」より
小児
軍人は小児に近いものである。英雄らしい身振を喜んだり、所謂光栄を好んだりするのは今更此処に云う必要はない。機械的訓練を貴んだり、動物的勇気を重んじたりするのも小学校にのみ見得る現象である。殺戮(さつりく)を何とも思わぬなどは一層小児と選ぶところはない。殊に小児と似ているのは喇叭(らっぱ)や軍歌に皷舞されれば、何の為に戦うかも問わず、欣然(きんぜん)と敵に当ることである。
この故に軍人の誇りとするものは必ず小児の玩具に似ている。緋縅(ひおどし)の鎧(よろい)や鍬形(くわがた)の兜(かぶと)は成人の趣味にかなった者ではない。勲章も――わたしには実際不思議である。なぜ軍人は酒にも酔わずに、勲章を下げて歩かれるのであろう?
2012年06月25日 11時14分