インタビュー
海月ちゃんにフィードで抱きしめてもらうにはどうしたらいいですか?
とあるネトゲをしていた時でありんす。
このネトゲが結構良く出来ていて、
アバタ同士でハグ、キス、抱っこ、等々、
実際の現実世界で出来る動きが再現できるようになっているんじゃが、
「海月ちゃんにフィードで抱きしめてもらうにはどうしたらいいですか?」
『海月』とは、わっちのプレイヤーネームでありんす。
何となく入ったギルドで、
可愛がって頂いている方や、
仲良くして頂いている方に、
挨拶代わりにハグをする動作をしているんじゃが、
・・・この子は新人さんかや?
フィードというのは、通常モンスターの出ない場所の事を指しんす。
モンスターのいる場所で、モーションをとっても迷惑なだけじゃからのう・・・。
話し掛けてこられた方のステータスや装備を見てみると・・・、
やっぱり、初心者みたいでありんす。
でも、モーションの事は知っているみたいだし、
ある程度は、慣れているのかや・・・?
それとも複垢(幾つかアカウントを所有する事)か・・・。
まぁ、どちらでも良いんじゃが、
わっちとて、だれかれ構わずハグをする訳じゃありんせん。
さて、どう説明をしたものかや・・・。
「ぬし、初心者かや?」
とりあえず、知り合いの複垢という可能性もあるので、
質問をしてみることにしんす。
わっちを『ちゃん』付けで呼んできたから、
その可能性もありんす。
数十秒経って、
「いいえ、始めたばかりです。」
ふむ、この言葉を完全に信じるなら完全に初心者さんかや。
なら、何でわっちに興味を持ったのかや・・・。
「ぬし、何故わっちに抱きしめられたいのかや?」
今度は少し早めの返事。
「ギルドでレベルが高くないのに、話題に上がっていたからです。」
・・・まぁ、正直操作ミスや、誤字などで、天然の烙印を押されていたり、
すぐに泣きそうになるから、その辺で話題にしていたと思うんじゃが・・・。
「ふむ、それなら別にわっちじゃなくてもよかろう?」
「いえ、ギルドで海月にハグをしてもらえたら完璧に一員だと言われたので。」
今度の返信はやい・・・タイピングに慣れてきたか、やはり複垢か・・・。
「そんな事はありんせん。ギルドに入れた時点で、立派な一員でありんす。」
「・・・そうなんですか。」
「納得していなさそうじゃな。まぁ、ギルド内にも、ある程度は派閥はありんす。わっちに拘る必要なんてありんせん。」
まぁ、わっちが話題に上る一因として、
性別年齢が不明。オフ会にも出席したことは無い。
口にする内容も、子ども染みたものから、
成人した社会人の様な振る舞いを見せたり、
ログイン時間も決まっていて、
一日中入り浸っているわけでもない。
要は全てが謎に包まれているという事でありんす。
あと、この喋り方も関係しているかのう。
っと、伝聞で知ったことなんじゃが、わっちは意識して振舞っているわけではありんせん。
普段通りに接しているつもりなんじゃが・・・。
「まぁ・・・なんじゃ。わっちのハグとかは、友愛の証でありんす。だから、仲良くする事が第一歩かのう。」
「そうですか・・・どうしたら、仲良くなれるのでしょう?」
「んー・・・とりあえず、低レベルモンスター相手に狩にでも行くかや。一時間くらいなら、お付き合いできんす。」
「よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
という訳で、狩に行ってみた訳じゃが・・・、
間違えて、高レベルモンスターの巣窟に迷い込んで、
大変な目にあった事は言うまでもありんせん。
まぁ、なんじゃ・・・わっちに絡んでいただけると、自然と「ぎゅー」っと、してくると思いんす(゚、 。`フ