インタビュー
くらげってゆらゆらしてるけど実は内側に針をもってる。そんな感じで強さを秘めたくらげちゃんがだいすきです
お昼休み、校舎裏に来るように知らない同級生に言われたでありんす。
(うーん…行ったら、痛い目に…それだけはイヤだにゃぁ。止めようかにゃぁ…(゚、 。`フ)
そう思いつつも…、
まぁ、好奇心からコッソリと覗きにだけ言ってみたでありんす。
そしたら、見知らぬ生徒が1人だけ…遠目からで分かりづらいけれど、
雰囲気は同学年くらいかや…?
(1人だけ…周りに隠れるところも無いし…1人だけなら大丈夫かにゃぁ…(゚、 。`フ)
一応、数分様子を見たり、周りを伺ったりしてみたけれども、
特に変な人物も集団も見つからなかったでありんす。
(これなら大丈夫かにゃぁ…(゚、 。`フ)
決心をして、身を晒して相手に歩み寄ってみたでありんす。
相手も気付いたみたいで…緊張しているのか表情が硬く見えるのう…?
「ぬしが待ち人かや?」
「は、はいッ。」
…大分、緊張しているみたいじゃ。
「少し待っててくりゃれ。」
「あッ…。」
そう言って、校舎へ引き返し、自販機で二本、温かい微糖の缶コーヒーをかったでありんす。
そうして、戻ってみると…本当に待っていたでありんす…。
近寄って、一本差し出し、
「温かくて、甘いものは落ち着かせる効果がありんす、飲みんさい?」
「あ、ありがとう御座います。」
わっちは壁に寄りかかるように座り込んで、
缶のプルトップを開け、チビチビと口にしつつ、
「ぬしも座ったらどうじゃ?」
と、隣をポンポンと叩いてみたでありんす。
「失礼します…。」
そう言って、隣に座り込み、同じように飲み始める見知らぬ生徒。
ふむ、少しは落ち着いてきたみたいでありんす。
「で、聞きたいことがあるんじゃが。」
「な、な、な「落ち着きんさい、コーヒー零しんす。」」
急に慌てだしたとは、言いにくい事なのかや?
しかし、呼び出しておいて、何も無しって事は無いじゃろう。
「わっちを呼び出したのは何故かや?」
「あの…。」
それから、刻々と過ぎていく時間と、中身の減っていく缶コーヒー。
日も暮れだし、缶コーヒーもあと一口ぐらいになったとき、
バッと隣に座っていた見知らぬ生徒が立ち上がり、
「くらげってゆらゆらしてるけど実は内側に針をもってる。
そんな感じで強さを秘めたくらげちゃんがだいすきです。」
中身のほとんど無いコーヒーの缶を取り落とし、呆然っとその言葉を聞く、わっち。
(えっと…好意を向けられているって事だよにゃぁ…(゚、 。`フ)
「…ぬし?」
「な、なんですか。」
「気は確かかや?」
「冗談でこんな事、言いません!!」
「気を悪くさせたのならすまぬ。しかし…。」
正直、わっちは見た目も良くなければ、
体型も痩せきって凸凹も無く、
性格も、聖人君子とは程遠い…。
(しかし、何処に惚れたのか?と聞くのは野暮かにゃぁ…(゚、 。`フ)
まぁ、いきなりこんな事を言われても、「はい、そうですか。」と、
受け入れられるわけも無く…。
「ぬし、答えをすぐに聞きたいかや?」
「…出来れば、お願いします。」
「無理じゃ。」
「…そうですか。」
涙を我慢するように下を向く、見知らぬ生徒。
「わっちは、ぬしの名すら知らん。それで、受け入れるのは難しい話しでありんす。」
「あ…。」
初めて、気が付いたといわんばかりに、驚いた顔を上げる見知らぬ生徒。
「まずは、そこからでありんす。」
悪戯っぽく笑い、相手から奪い取った缶コーヒーの残りを飲み干す。
最後の一口は、いつもより甘く感じたでありんす。