インタビュー
ありんす。って不思議の国のアリスをゆっくり言ってるってことですよね?けにうむ
「ありんす。って不思議の国のアリスをゆっくり言ってるってことですよね?」
「違いんす。」
オフ会に初めて出たときに言われた言葉でありんす。
「何処から、そんな発想が出てくるのかや?」
「いや、『アリス』と『ありんす』って似てるじゃないですか?」
「…『不思議の国』は何処へいったのかや。」
「海月さん事体が不思議っぽいです。」
普通は失礼な言葉なんじゃが、
「ニヒヒヒ、わっちは色々と隠しておるからのう。不思議にも感じるかもしれん。」
「地元って何処なんですか?」
「秘密でありんす。」
「学生?社会人?ニート?」
「秘密でありんす。」
「年齢は?」
「自称しておる。」
「本当に秘密だけなんですね。」
「何か困る事でもあるかや?」
けにうむさんは、少し考えて…、
「ある意味、話題が無いじゃないですか?」
「趣味の話とかなら出来んす。」
「未成年だった場合、話せないこともありますよ。」
「…下ネタ自体を自粛してくりゃれ。」
「そうじゃなくて、好きなお酒とか、煙草とか。」
「大人でも、嫌煙者はおるし、下戸もおるじゃろう?」
「まぁ、そうですね。」
少し考えて、
「わっちのこの口調はな。元々、遊女達が方言を隠すために使っていた言葉でありんす。」
「つまり、住んでいるところがバレない為に、そんな喋り方を?」
「半分はそうじゃ。」
「半分?」
「まぁ…、もう半分はクセになってきてしまったって事かのう…。」
「なるほど。」
わっちは少し喉をさすって、
「喋り続けたら、喉が渇いたでありんす。」
「そこに自販機ありますよ。」
「…疲れもしたでありんす。」
「買って座って飲めばどうですか?」
「はぁ」と、ため息をついて、
「すぐ近くに喫茶店があったじゃろ?」
「わざわざ高い飲み物を飲むんですか?」
「チェーン店だから値段も安いし…それに路上喫煙はダメでありんす。」
そう言って、けにうむさんが口に銜えて火を着けようとしていたタバコを取り上げ、
「さっさと、店に行くでありんす。」
「仕方ないですね。」
「座った方が、落ち着いて話しも出来んす。」
「分かりました。でも、特に話題はないですよ。」
「なら、ボーっとモクでも吹かしておいてくりゃれ。」
そんな会話をしながら、喫茶店へ向かったでありんす。