インタビュー
服はどこで買っていますか?
『遊びたいでありんす。』
『おk、今からだったら…お昼の2時くらいでいい?』
『構わないでありんす。』
『じゃぁ、いつもの場所で。』
っと、お友達と電話で休日遊びに行く事になりんした。
で、いつものところ…マクドナルドで、コーヒー飲みながら待っていると、
「ごめん、待った?」
「待ちくたびれたでありんす。」
「ゴメン、何かおごるよ。」
「じゃぁ、休憩のときに、お茶代出してくりゃれ。」
「わかった。」
いつも通りのやり取りをして、コーヒーの紙コップを捨てた後、
「で、この後の予定は?」
「お洋服を見に行きたいでありんす。」
「あー…じゃぁ、いつものあそこか。」
「うん。」
そう言って、いつもの場所へ向かったでありんす。
そして、到着したところは、ゴシック、パンク、ロリータなどを取り扱っているセレクトショップ。
「あーッ、海月ちゃんッ。久しぶりー!!」
早速店長に見つかったでありんす。
「…私は、そこで座って待ってるよ。」
そう言って、お友達はさっさと離れて行ってしまったでありんす。
でも、この空気が苦手といいつつ、付き合ってくれるのだから、ありがたいのう。
「御久しゅう御座います…、今セールとかやっているかや?」
「春モノならやってるよー。」
「Deorartのカットソーとか新しいもの入ってきているかや?」
「色々あるよ!!」
「見せてくりゃれ?」
「こっち!!こっち!!」
そう言って、売り場を案内されていったでありんす。
「お化けのとか入っているけどどう?」
「うーん…丸首は余り好きじゃありんせん。」
「そっかー、ならこっちかなー。」
「最近は蝶の柄とかばかりで、羽のモノが無くなったのう…。」
「羽のヤツかー、今のところ在庫には無いかなー。」
「なら、この中から選ばせてもらっても良いかや?」
「もう、じゃんじゃん選んじゃって!!これなんてどう?」
「カッコいいでありんす。じゃが、姉様からピッタリしたモノの方が良いとか言われたんじゃが…。」
「流石に、海月ちゃんの体型だと難しいねぇ…。」
「…貧相でスイマセン。」
「色々着られるから気にするなッ!!」
そういって、笑いながら背中を叩いてくる店長でありんす。
「これなんてお手頃で、気に入ったでありんす。」
「それかー。でも、それセール品だからスタンプカード押せないよ?」
「うーん…他に買うから、それじゃダメかや?」
「仕方ないなッ!!」
「じゃぁ、暫く物色させてもらいんす。」
「あいよー、試着したいものがあったら言ってねー。」
そう言って、他のお客さんの接客にまわっていったでありんす。
とはいえ…。
(なかなか、気に入るものが無いにゃぁ(゚、 。`フ)
お洋服は諦めて、アクセサリーのコーナーへ行ったでありんす。
(うーん…やっぱり、カバンとかは高いにゃぁ…(゚、 。`フ)
そして、最後にチョーカーを見て、
「あッ!!」
太い鎖に南京錠にRの文字が刻印されたモノも見つけたでありんす。
「なにー?なんかお気に入りのもの見つけましたか?」
アルバイトの方が近づいてこられたでありんす。
「これッ!!これが欲しいでありんすッ!!」
「Deorartじゃないけどいいの?」
「気に入ったから、このカットソーとチョーカー買いんす。」
「わかった、今日も着ていく?」
「うんッ!!」
「じゃぁ、タグ取っちゃうねー。」
そういって、タグを取ってもらって、お会計を済ませて、スタンプカードに押してもらって、
「じゃぁ、試着室いこっか。」
「はーい。」
「終わったら声掛けてねー。」
「分かったでありんす。」
そうして、
髑髏のキャップを脱いで、
猫グローブを外して、
革ジャンを脱いで、
カットソーを脱いで、
…相変わらず、アバラの浮いた貧相な体でありんす…。
まぁ、気にせずに新しいお洋服に腕を通してっと、
「着替え終わったでありんす。」
「じゃぁ、前の服は袋に詰めておくねー。あれ?チョーカーは?」
「あッ…忘れていたでありんす。」
「ちょっと貸して。」
そして、手渡すと首に着けて貰えたでありんす。
「うん、似合ってる。」
「ありがとー。」
お世辞でも、似合っていると言われたら、嬉しいものでありんすッ。
そして、袋に詰めてもらった、さっきまで着ていたお洋服を受け取って、
「じゃぁ、お見送りするから。」
「はーい。」
店舗の前まで来ていただいて、
「またねー。」
「またねー。」
猫グローブをひらひらさせながら、お店を離れたでありんす。
「待たせたでありんす。」
「ん…新しく買ったの?」
「ニヒヒヒ、似合うかや?」
「分からない。」
「似合うって言えーッ!!」
「じゃぁ、お茶でもしますか。」
…誤魔化されたでありんす。
「新しいカフェ見つけたから、そこ行くかや?」
「分かった。」
その後は、お茶して、ゲームセンターによって、小物見て、そして夜に近い夕方になり、
「今日は泊まっていくかや?」
「んー…帰るよ。」
「そうかや…。」
「まぁ、またの機会に。」
「うん、またね。」
お友達を駅まで送って、わっちも帰ったでありんす。
後日。
「あれ?くーちゃん、そのチョーカー…。」
「どうしたのかや、姉様?」
「シド・ヴィシャスって言うパンクの神様が着けていたものとそっくりだねぇ。」
「へぇ…何だか、得した気分でありんす。」
そう言ってチョーカーを撫でながら、
「兄様、これどうかや?」
「今までの中で一番似合ってる。」
「ニヒヒヒ、ありがとッ。」
やっぱり、褒められるのは嬉しいものでありんす(゚、 。`フ