インタビュー
if... 思いの人が何も言わず遠くに旅立ちました、あなたなら心の中でその人に何を思いますか?
(何も言わずに、消えるってどういうことだ。)
隣の席の気になる奴が今朝になって行方不明になったらしい。
と、言うことを学校のホームルームで聞かされたところ。
詳しく説明すると、一応置手紙みたいなものはあったらしい。
それを、登校時間になっても起きてこないのを不思議に思った母親が手紙を見つけたそうな。
手紙の内容までは、明確には分からないけれども察しは付く。
(自由人になりたいって行ってたからな…。)
妙に手際が良い奴で、今いるとしたら、遅くても空港か…飛行機の中だろう。
故に、見つけるのは困難…。
でも、連絡無しってどう言う事だよ…。
こっそりと携帯電話を取り出して、メールの新着を確かめてみる…0件。
(結構、仲が良いつもりだったんだけどな…いや、ぶっちゃげ好きでした…。)
告げる前に、消えられるなんてな…。
目を閉じて、最後に見たアイツの姿を思い浮かべる。
昨日は珍しく遅くまで残って話をしてたな…。
「粘りましょ自由人~♪浮世離れの達人~♪」
「よく口ずさむよな、それ。」
「昔の歌らしいけれどね。初めて聴いた時、このフレーズだけ頭に残ったの。」
「まぁ、良い歌詞だけど、現代じゃ無理だな。」
「そう?」
「当たり前だろう。」
「それじゃぁ、賭けをしよう?」
「何を?」
「このフレーズが当たっているかどうかッ!!」
「無茶言うなよ。」
「無茶かぁ…。」
目を開けて、天井を見上げる。
(あぁ、アイツは本当に自由人を証明しようとしたのか…どこまでいっても、本当に、馬鹿な奴。)
(でも、いつかは帰ってくるだろう?それまで待ってるさ。)