インタビュー
好きなあの人、苦手なあの人に一言お願いします!
「そこのゴスロリの方、ちょっといいですか?」
「…。」
「あのー…。」
「わっちの事かや?」
「あ、はい。そうです。」
「この服装はゴスロリじゃありんせん。ゴシック、詳しく言えば、近代ゴシックでありんす。」
「は、はぁ…?」
「で、何か用かや?」
「あのですね、好きなあの人、苦手なあの人に一言答えるとしたら、どうするか?というインタビューを行っているんです。」
「好きな人、好き。苦手な人、嫌い。さようなら。」
「ちょっと待ってくださいッ。出来れば、もう少し凝った回答が欲しいんですが…。」
「ふむ、喉が渇いた。」
「はぁ…?」
「そこに喫茶店がありんす。」
「…分かりました。」
---喫茶店内---
「わっちはコーヒー、砂糖はいらん。席を取っときんす。」
「…わかりました。」
「持ってきましたよ。これで答えてもらえますか?」
「まぁ、少し考えさせてくりゃれ。」
「分かりました。ゆっくりでいいですよ。」
「わっちは構わんが、ぬしはそれで良いのかや?」
「…出来るだけ、急いでお願いします。」
「ふむ、質問は何だったかや?」
「好きなあの人、苦手なあの人に一言答えるとしたら、どうするか?です。」
「好きな人、大好き。苦手な人、大嫌い。これで良いかや?」
「…さっきの回答よりマシですね、ありがとうございます。」
「じゃぁ、わっちは行くでありんす。コーヒー代は置いておく。」
そう言って、喫茶店から出たでありんす。
(本当の事なんて、答えるわけありんせん。)
適当に歩きながら、
「好きな人には、すごく嫌いじゃありんせん。苦手な人には、たまには優しくしてくりゃれ。…言える訳ありんせん。」
そう、誰にも聞こえないように呟いたでありんす。