itomasa7の日記

2016年10月15日 13時56分

【映画 聲の形(こえのかたち)】感想※ネタバレ?

最初から最後まで涙腺緩みっぱなしの非常に上手い構成でした。

※ 「君の名は。」がSFチック恋愛ものの名作なら、
  こっちは人間ドラマとして「許し」を問う作品なのかなあ、と。


原作も読んでるんですが、
いつもみたいにあらすじ箇条書きとかで
全キャラの行動とか書いてらんないなあ(良さが全く伝わらなそう)、
って思ったので、さらっと流れと思った事を。


有名原作漫画『聲の形(こえのかたち)』、
漫画と映画の主な流れとして


小学校時代の石田くん(当時はクラスの中心的な人気ものでした)のクラスに
聾唖(ろうあ、耳が聴こえない)の少女、
西宮さんが転校して来た所から始まって、

最初は「ノート、筆談」でなんとかやりとりしようとしたクラスメイト達も
次第にうまくコミニュケーションが取れない事や
西宮さんのいつも笑顔で謝ってばかりの態度に
「心が見えない」とだんだんと距離を置く(無視したり陰口を言ったり)ようになり、

※ それでも助けてくれようとした少女がいたのですが、
  彼女もイジメにあってしまいクラスから逃げ出してしまう(さはらさん)


そこに石田くんが補聴器を盗ったり壊したりと
「イジメ行為」をエスカレートさせて、


それが大人達の耳に入るレベルの問題になった時、
今度はイジメの中心になっていた石田くんが
クラスメイト達からイジメられる側になり、


※ 補聴器の件で石田くんのお母さん(片親)は200万近い賠償もして


西宮さんは結局小学校を去る事になって
(確か養護系の学校に移ったんだったかしら?)、

そのままいじめられっ子として高校まで上がった石田くんは、
対人恐怖的に誰の顔も見れず、声も聴けないような性格になり

※ 漫画および映画上、学校の全ての生徒は顔を×印マークで隠されている

せめて今までの事を母親と西宮さんに謝罪して死のう、


・ バイトで貯めた200万近くを母親へ残し

・ 西宮さんに再会して
  昔池に投げて捨てた「筆談ノート」を返して
  イジメの事も謝った上で

**ようとしたけど、

西宮さんと話す為に覚えた手話のおかげで
西宮さんと(子供の頃にははかれなかった)意思の疎通を思わずはかる事が出来て、

西宮さんのどこまでも優しいその心に触れ、
自殺をやめてから

・ 西宮さんの為に尽くそう、もう悲しませたくない

と思う石田くんの気持ちと行動が逆に


・ 子供の頃西宮さんをイジメていたせい

・ 今度も西宮さんに関わったせい
  (どちらも西宮さんの思い込み)


と悪い方に働いて、
やっと出来始めた友達達を失ってしまう。


そして今度は西宮さんが「全て自分のせいだ!」と自殺をはかって、
それを助けて石田くんがマンションから落下して意識不明になって、


・ 今度は西宮さんが石田くんが失ったもの(友達)を
  取り戻そうと行動して

って、お互いがお互いを「許して」「救う」ような話、
って感じだったかしら。

※ 原作では、途中に映画製作とかの流れがあるのですが、
  そこは時間の都合上か端折られてました。




Twitterとかでも流れてたんですが、映画版の構成では、
「あれだけのイジメをやった奴がこんな簡単に救われるとかおかしい!」とかの
批判的なツイートも多かったんですが、

自分は、映画の構成の妙もあり、
石田くんも十分苦しんだしもう救われてもいいんじゃないかな、
というふうに感じました。


? 原作と同じかな、構成変えたかな?

原作は確か、

1.小学生時代の西宮さんイジメ、逆に石田くんがイジメられる側に

2.(石田くん)全てにおわびしてもう死にたい

3.(石田くん)西宮さんと再会して、西宮さんの為に生きようとして

~の流れだったような気がするんですよね。

※ 後で読み直すけど


それが、

1.(現代)全てに償い**ようとする石田くん
  ⇒西宮さんとの再会

2.(過去)西宮さんをイジメ、逆にイジメられるようになり現代に至るまで

3.西宮さんに尽くそうとするけど、
  その為の行動が自分に「友達」を作り

  ※ 石田くん自身、自分がこんな幸せを味わっていいのか?と葛藤する

4.過去のイジメの件が露見して、友達達とケンカ別れになり

5.それでも西宮さんに尽くし続けようとする石田くんを見て、
  西宮さんが「私のせいで石田くんが大切なもの(友達)を失った」

  ※ 多分、過去石田くんがイジメにあい始めた時の件も含め、

  「全て私のせい、私が生きているのが悪い!」と自殺を図るまで


の構成になっているので、
なんか石田くんの子供の頃の
(決して許す事の出来ない)イジメ行為も、

(現代の)石田くんを見ていると
「もう、、、(自分を)許してやれよ」って思えてくるんですよね。


その上で、石田くんやその他のクラスメイトにいじめられた過去を、
「自分のせい」と思い続けていた西宮さんもかわいそうで、

もう2人とも自分を「許して」いいんじゃないか、
という物語の流れと

その「許し」を感じられるラストでした。


途中、西宮さんが石田くんに告白しちゃう流れがあって(結局意思の疎通に失敗するんですが)

「あれ?こんな単純な恋愛ルートに入っちゃう原作だったっけ?」と思いましたが、

最後、夢で石田くんが死んでしまうのを予感し駆け出す西宮さんと
病院で意識不明から目覚め、
(西宮さんが無事だったか心配し)同じく駆け出す石田くん、

2人が再会してからが単純な「LOVE」じゃない、

石田くん「俺が生きるのを、手伝ってくれないか(だったかな、印象的なセリフですが忘れちゃいました)」

なのが良かったです。

※ 単なるラブシーンだったら、名作が台無しになる所でした。


あと、子供の頃の石田くんは、(イジメという最低の行為に至ってしまったきっかけは)
「多分、西宮と話したかったんだと思う」という
自分の本音/本質部分に気づくのが良かったかと。

※ 西宮さんと意思の疎通が取れるようになったのも、
  聲の形の1つ、手話を覚えたからですし


ああ、泣ける作品はいいなあ( ;∀;)

PS.感想が散文的にループしてる・・・まあ、原作ともども名作認定です。

PS2.そうそう、観てすぐはなんとなく忘れてしまってたんですが、
  2つ思い出しました。

・ エンディングは、石田くんの学校の学園祭をみんなで回る場面で、
  石田くんのトラウマになっていた対人恐怖(人の顔に×印がつく)が、
  西宮さんと友達達との結束によって、
  剥がれるシーンでの終わりでした。

  だからこそ、
  「ああ、この映画はイジメをやって、その報いを受けた石田くんを
    最終的に”救う”物語なんだな」って思いました。

・ 西宮さんにはいつも西宮さんについて回ってる中学生の妹がいるんですが、
  こいつが生き物の死体の写真を撮っては家に貼る、
  っていう変わった設定持ちだったんです。

  それが「生き物は死ぬとこんなになっちゃうんだよ、
    だからお姉ちゃんは死んじゃダメだよ!」という姉想いゆえの行動だった、
  というのを映画観て思い出しました。
  いい娘やで、妹も( ´ー`)