2016年09月19日 07時30分
【映画planetarian劇場版】感想※ネタバレ
元々ゲームブランドVisual Arts/Key(クラナドとかで有名な)が
シネマティックノベルだか変わった名前で
安売り(3000円ぐらい)してた読むだけゲームが原作。
それが発売から10年近く経った今になって、
・ アニメ化
・ 映画化
するという流れになったのは、当時ゲームをやって
「それなりにお話は面白いけど場面が少なすぎ、
いつものKeyの長編とは大違い」という
感想を抱いていた自分からは不思議でした。
しかし、アニメ(全4話だったかな?)を
dアニメストア(だったかな?)で観て、
「アニメで観るとまた感想変わるな、結構良く出来ていたと思う」と、
そしてHPで劇場版のPVを観て、
「こんな続きがあるならぜひ観てみたい」と
改装以降行ってなかった新宿歌舞伎町の
元コマ劇場跡のTOHOシネマズ新宿へ(5年ぐらいぶりかしら)。
結果として本映画は完全新作ではなく、
本来ならば自分は大嫌いな「総集編+アルファ」という構成でした。
※ 最近だとペルソナ4劇場版とかが自分的に最悪でした。
しかし、元がアニメ全4話と少なく、かつ
その続編としての物語の中に4話をうまく回想として入れていたので、
構成的に上手く出来ていて、
「つぎはぎ感や話を知っているがゆえのつまらなさ」という
感じはなかったです。
※ この後に観た傷物語に比べると「絵」「映像」としての
レベルは格段落ちるな、と感じましたが( ´ー`)
【あらすじ】
世界中が戦争で衰退し、
各国が放った核兵器の影響で空はいつも雲と酸性雨と放射能に覆われて、
太陽も月も星も見えなくなった未来の地球。
地球の総人口も10万を切った所で統計を取る人間もいなくなったのだとか。
雪深い山の集落を目指して歩く老人。
しかし片足が義足、そして体調も悪く
ひどい吹雪の中で倒れてしまう。
それを救ったのは、
少し先の集落(廃棄された核シェルター)に住む子供たち
(2人の少年と1人の少女)でした。
いつもシェルターの中で暮らしていた子供たちは
「外の世界を観てみたい!」と脱走し、
倒れていた老人を発見したのでした。
シェルター内で看病を受ける老人、
老人が持ち歩いていた奇妙な機械などから、
村長の老婆は「あなたは、星の人なのですか?」と。
村長「昔から、一度お会いしたいと憧れていました」に対して、
「星の人」という言葉の意味自体が分からない子供たち。
※ シェルターの人々はあるシスターの像を、
神様として拝んでいました。
※ 老人は「あるものを探して」とこの集落の更に先の集落を
目指していたのですが、その集落は既に滅んでいる事を
村長から聞いてがっかりします。
老人は仲良くなった子供たちに頼んで大きな傘を作らせます。
少年の1人には持っていた機械を
一緒に直しながらその手順を教えていきます。
そして聴かれるままに過去の話へ。
老人が若い頃(若者)、
既に地球は現在の荒廃した世界であり、
子供の頃に親とはぐれた少年は
「屑屋(くずや)」
(廃棄された街などから食料や機械その他を集めてきて生計を立てる)
として暮らしていました。
ある封印都市(戦争が終わってなお、戦闘兵器達が人間を襲う危険な街)に
入り込み、戦闘ロボに追い詰められた若者はあるデパート跡地に入ります。
そしてそこで、ロボットに出会います。
プラネタリウム案内ロボットの「ほしのゆめみ」に。
何故かこのビルには電力が供給されていて、
ゆめみは省電力モードで年に5日だけ稼働する、
丁度若者と出会ったのが今年起動したばかりの日だったのだと。
世界の現状を知らず、
プラネタリウムの館長達も「旅行に行くから待っていて」と告げて撤退した中、
ゆめみはたった1人でずっと「人の役に立ちたい」と
プラネタリム案内業務を続けていました(年に5日で既に数十年が経過)。
※ 現在でいうインターネットのような通信設備なども全て
破壊されつくした現代、
ゆめみには既知の不具合が大量にある、
ただしセンターに連絡が付かないので直せない、
と本人自身が言います。
※ その他、本デパートには最新機種のロボットが配置され、
なんとそのロボットには泣く機能もある事、
ただし自分は廉価版なので泣けない事、
などを話します。
「ぜひプラネタリウムをご覧になってください、
そして特別上映を!」というゆめみ、
最初は断っていた若者ですが、
ゆめみの言葉に興味を惹かれていきます。
そして、ついにプラネタリウムをいざ観賞。
という所で、投影機のエレナさん(ニックネーム)が
故障している事が判明する。
なし崩し的にプラネタリウムの故障箇所を修理する事になる若者。
※ 修理をする中でゆめみと話をしている中、
「直るよう神様にでも祈ってくれ」という若者に対して、
「どの神様に祈れば良いのでしょう?」
と色々な神話の神様の名前を上げるゆめみ。
そして、ロボットの神様がいるのなら、という事で
ゆめみは「1つだけ、神様にお願いしたい事があります」と。
その先はこの場では聞けませんでした。
そしてついにプラネタリウム上映が可能な状態に。
天空に浮かぶ(今はもう雲に覆われ観る事の出来ない)
太陽、月、そして星と星座たち。
そんな光景に若者は感動する。
そして、ゆめみが作った「特別上映」を放映する段になって、
急にプラネタリウム(エレナさん)は停止してしまう。
調べてみるとこのビルに供給されていた電力の供給が停止されたのだと判明。
「特別上映」が出来ない事になげくゆめみに対して、
若者は「宇宙(そら)は覚えたから、あとはお前の言葉で説明してくれ」と。
そして若者は心の中でゆめみの「特別上映」を観賞する事に。
それは氷河期の人類が穴蔵の中から外に出て、
マンモス達を狩り始めた時代から
文明が進化する中、
いつも人は空とともにあり、
空にあこがれて空を飛び、
そして宇宙を目指した、というお話。
その物語を胸に若者はプラネタリウムを後にしようとする。
しかし若者は考える。
電力供給が切れた以上、
次にゆめみが休止モードに入った後、
もう永遠に目覚める事はない。
「人の役に立ちたいのなら、ここを出て別の道を探すべきなのでは?」と。
※ 現代(老人)と過去(若者)の転換場所、多分全然あってません、
覚えてないや・・・
で再び老人。
完成した傘を元にプラネタリウムの天幕を作り、
老人が自作した小型投影機により
プラネタリウムを上映する。
外の世界自体を観た事のなかった子供たちは、
その世界の向こう、雲の向こうに
星の世界が存在する事に感動する。
手動の電気発生機の電力が切れて
プラネタリウム投影が終わった後も
子供たちは「もっと、もっと見せて!」とせがみます。
「それはまた次回にしよう」と老人。
※ 星の人とは、プラネタリウムを持って各集落をまわり、
雲に覆われ観る事の出来なくなった
宇宙、星々を見せて回る人の事でした。
老人は村長に、あの子供たちに
「星の人」を継がせたい、と持ちかけます。
そして村長は「村の住人達と相談して決めます」と。
子供たちはシェルター内で農作業をしている中年女性達が、
「せめてもう少し若ければ子供が作れたろうに、
しかも食料だってかさむしとんだやっかいものだよ」と
老人を悪く言う姿を見て怒ります。
※ このシェルターにはもう子供たちと村長(老婆)、
あとは若い女性と中年女性達しかおらず、
若い男性がいない為、子供を作る事が出来ないでいました。
子供達は自分達がどこからか見つけた
宝物(謎のネックレス)を持って老人の元へ。
そして老人に「自分達も星の人になりたい!
1人は投影機をメンテし、
1人はそれを各集落へ運んで、
1人は星と星座の説明をする」と
謎のネックレスと交換にお願いします。
子供たちの言葉に喜んだ老人は、
自分が首からかけていたケースと謎のネックレスを交換し、
これは「星の人のお守りなんだ」と話し始めます。
再び過去。
デパートを出て自分のクルマへ向かおうとする若者に、
ゆめみは現在の状況が把握出来ない為、
自己判断で若者の安全を守る為、
クルマまで送る事にします、
とついてきます。
脚その他のパーツが故障しているゆめみは何度も転びながら、
ゆっくりゆっくりと若者と共にクルマへ向かいます。
※ ここでゆめみが先に話していたロボットの神様がいるなら
お願いしたい事、について話します。
「人間とロボットの天国を分けないで欲しい、
天国でもロボットは人間の役に立ちたいです」と。
途中、廃棄された酒屋で酒を見つけ若者はひさびさの
酒を味わいます。
※ そして、ひさびさの酒に酔ってるんだな、と思いながら
「ゆめみを連れて星を見せて回るのも楽しいかも知れない」
などと考えます。
そして、あと少しでクルマ、という所で
シオマネキ(攻撃用ロボット)がいる事に気づきます。
若者はなんとか自分1人で撃破しようと、
ゆめみに「何があっても俺が戻るまで絶対に動くな!」と言います。
そして、今まで通ってきた道すがらを見て、
「この世界、街が既に戦争で滅んでいる事を認めろ、
ここで待っていても誰もプラネタリウムへはもう来ない、
人の役に立ちたい、という夢を叶えたいなら
俺について来い。
この事を俺が戻ってくるまでに考えておいてくれ」
とお願いします。
そして、シオマネキの近くのビル上層階に陣取り、
ロケットランチャーでシオマネキを攻撃しますが、
若者「ミスファイア!?(不発弾)」
と攻撃が失敗し、シオマネキに気づかれて攻撃を受けてしまいます。
なんとか地上を逃げながらシオマネキの脚部を破壊しますが、
シオマネキのマシンガンによる攻撃でビルが倒壊し、
若者も瓦礫で片足をやられます(骨折してしまう)。
そしてシオマネキが若者を葬ろうと近づいてきて・・・
そこへゆめみが現れました。
そのままシオマネキに向けて歩いていきます。
それに驚きつつも、
「チャンス!」とロケットランチャーを放つ若者、
シオマネキのマシンガン攻撃で破壊されるゆめみ、
そしてシオマネキもロケットランチャーにて機能停止。
半壊した(下半身部分は完全にバラバラ)ゆめみに対して
「何故命令を守らなかった!」と怒る若者に、
「お客様の命令の更に昔から、大事な命令が与えられていました。
人間に害を与えようとするものを制止しなければなりません」と。
そして、予備バッテリーの稼働時間が600秒しかない事を告げ、
過去の映像(ホログラフィー)を映し始めるゆめみ。
それは、プラネタリウム開演の頃からの沢山のお客さん達
(子供から大人から男性から女声から)の
「ありがとうゆめみちゃん、また来るよ!」という言葉と
戦争激化によりプラネタリウムから避難しなければならなくなったスタッフ達の
泣きながらの「旅行へ行ってくるから待っていて」という言葉でした。
そしてゆめみは語ります。
「誰もプラネタリウムへ現れなくなってから、
ずっと考えていました。
一番考えたくない事を(世界が滅びている、という事)。
そしてそんな事を考える自分は壊れているのだろう、
と判断していました。
しかし、壊れていたのは世界だったのですね」と。
そして「あと150秒で機能が停止します。
最後の録画が可能です、
何か喋っていただけますでしょうか」とゆめみ。
それに対して若者は告げます。
「実は俺はお前を迎えに来たんだ。
あの壁の向こうには新しいプラネタリウムと
スタッフ達がお前を待っていて、
これからは新しい場所でまたプラネタリウムの
案内をやってもらうんだ」と。
雨がゆめみの目に当たり涙のように流れていきます。
ゆめみ「もし、もし、自分に涙を流す機能があったなら、
きっと今泣いてしまっていたと思います…」
そして、
「私の耳の裏のスロットにメモリーカードが入っています。
それを持っていっていただけますでしょうか。
そこには私の全記憶が入っています。
新しいロボットに挿していただけば、
私はすぐにも再び業務に戻る事が出来るんです。
だから、私には本当は天国もいらないんです」と。
そしてゆめみの機能停止後、メモリーカードを抜き出し、
首から下げていたケースにしまい、
代わりに自分の首にかけていた星座のネックレスをゆめみにかけてやります。
そして手に持っていたロケットランチャーを投げ捨てます。
もう、戦うのは終わりだ、と言うように。
そして再び老人。
村長が老人の元へ現れ、皆の決定を伝えたい、と。
その決定は
「老人に明日、集落を出ていってほしい」という厳しいものでした。
子供たちは反発します。
しかし老人はあきらめました。
子どもたちが作った傘の中、小型投影機と
老人が今までに調べまとめた星座などの情報のノートを残して去ろうとします。
子供たちは冒頭で出てきたシスターの像に祈っていました、
「どうか、老人を追い出さないで、自分達に星の事を
もっと教えて欲しい」と。
挨拶の為に現れた老人はシスターの像を見て驚きます、
それはロボットでした。
そして、電源を入れ、
ゆめみより託されたメモリーカードを胸のケースから取ろうとして、
「そうか、子供たちと交換したんだったな」と苦笑しますが、
そのまま倒れてしまいます。
そして、老人は再び看病されベッドで寝ている所へ、
起動されたシスターのロボットが
(謎のペンダントはロボットに関わるものだったようで)、
老人の元を訪れます。
そして、老人は
「そうか、お迎えなのか。
しかし、もし2つに分かれているのなら俺は行かないぞ!」と。
※ この2つ、とはかつてゆめみが言った
ロボットと人間の天国が分かれているなら、
というお話。
そして老人は死して、天国で(?)
ゆめみ、プラネタリウムのスタッフや、
プラネタリウムへ来館した色々な人たちに出会います。
そして、ゆめみから、
「星を、星座の事を、色々な人々に伝えてくれてありがとうございます」との
言葉を受けて、「ああ、その言葉が聞けてよかった」と。
翌日、老人の亡骸を地上に埋葬する面々。
子供たちが「星の人はきっと星が見える所に埋めてあげた方がいいんだ」と。
※ 結局、ゆめみが残したメモリーカードはやっと見つけた
別のロボットに挿される事は、
老人が生きている間は(その先は不明)
ありませんでしたが、
お決まりのエンディングでなく、
こういう終わりで良かったんだろうな、と思いましたね。
最後、「メモリーカードは挿せるの?挿せないの?」と
ドキドキしましたし。
映画はともかくアニメ版だけでも観れる環境なら観る事をオススメします( ´ー`)