2016年08月16日 14時34分
【映画 シンゴジラ】感想※ネタバレ
Twitterでの一般人から著名人までの「シンゴジラ」人気のすごさと
「(自分)最近映画観てないからなあ」
という事で夏休みの今、映画一挙三本観賞予定を立てました。
・シンゴジラ
・ルドルフとイッパイアッタナ
・ペット
特に「シンゴジラ」と「ルドルフとイッパイアッタナ」の間は
20分程度しかないので、
これじゃあ「余韻(観た映画内容にひたる)」も
「感想」もちゃんと抱けないまま次の映画になっちゃうかな?
まずいかな?
と思いつつまずは朝一(イチ)のシンゴジラ観賞。
庵野監督といえば
アニメ「エヴァ」
映画「エヴァ」と続けて
「どう?びっくりしたでしょ!?」と
一発ウケ狙いのオチが多すぎる
ハズレ監督だと思ってましたが、
「シンゴジラ」には驚かされましたね。
確かに良く出来てるし面白い。
※ ちょっと時間は長く感じましたが
(物語の山がいくつかあったので
庵野監督だったらここで「ビックリ」させて
(例えば日本を壊滅させて)
終わりだろう、
と想像した事何度か)
思わぬ秀作でしたね。
子供の頃、特撮ものがどうも性に合わず
日本の「ゴジラ」「モスラ」から特撮ヒーローまで
全部見逃してきた自分にとって、
「今の邦画ってここまでやれるのか」と感じられたのは驚きでした。
※ 日本の特撮、CG映画としてのレベルの高さと
人間ドラマとしての作りも。
物語の流れをちゃんと覚えてるのかあやふやなので、
アバウトにネタバレしてみます。
【あらすじ】
※ 「ゴジラ」なんて概念がない現代日本。
・ 一隻の無人のプレジャーボートが発見され
海難救助隊が救助へ。
・ そして海ほたるへの地下道や、
プレジャーボート周辺で謎の水蒸気爆発。
・ 「どこかの国の原潜が爆発した?」⇒水深が足りない
じゃあ「地下火山の噴火?」などの
憶測で政府発表が行われる中、
1人だけ「なんらかの生物の可能性もあります」と
異を唱える男(のちに政府のゴジラ対策のキーマンとなる男)。
・ そしてすぐに謎の生物が海上へその背と尾を現し、
生物学者などの意見から
「あの巨体が水上へ出たら自重で潰れる=日本国土へ上がる危険はない」
と政府発表するも、またまたハズレ。
この時生物学者や政府は
・ 帰ってもらう
・ 捕獲する
・ 殲滅する
の3つの案を立てていた。
・ 多摩川水系(?だったかな?)を遡り、
橋やビルを破壊する謎の生物。
※ この時点ではあまり大きくなく、
顔もねずみ?などに似て
愛らしさすらある生物。
・ 政府の面々は「誰が責任を取る」だなんだで揉めまくる。
※ まさに今の日本政府の姿を有名俳優陣が
真面目に演じれば演じるほど
こっけいに見えていく場面。
・ そしてなんとか自衛隊の出動要請を許可し、
攻撃ヘリがいざ発砲、となった段階で
逃げ遅れた市民(老人)2人を発見し、
総理「市民がいるなら発砲は許可できん!」と
唯一のチャンスを逃す。
・ その後生物は「進化?」して、
二足歩行可能になった上で再び海へ去っていく。
・ その後東京で検出される放射能、
その放射能漏れと謎の生物の
移動経路が完全一致した事から、
あの生物は「原子力」で動いている?
と推測され、
水から現れ、川を遡り(さかのぼり)、
たまに血を体中から吹き出した事は、
自分の中の「原子炉」のようなものが
熱暴走しないように
身体を冷やしていた、と推測される。
・ 謎の生物が再び日本に出現する可能性を考え、
先(さき)の頭のキレるリーダーを中心に対策室が作られる。
※ この辺りから、
「あの生物は血液を凝固させるなどすれば
熱暴走により自滅させられるのでは?(=血液凝固剤が必要)」と
対策室では語られ始める。
・ この頃、リーダーに接触してくるアメリカ側の外交官(日米のハーフ)。
今この生物について分かっている情報と交換に
この生物が既にアメリカで調査されていた
「God Zilla」(なんとか神羅)であり、
アメリカ政府の研究機関にいた
日本の元大学の教授がその調査を行っていた事実を教える。
※ 「God Zilla」(ゴッドジーラ)は呼びにくいので
「ゴジラ」と呼称される。
・ この元教授が生まれ育った場所の海では
「なんとか神羅(しんら?)」という怪物が神聖視されており、
そこへ原発開発の時代多くの放射性廃棄物が投棄された。
写真にてそれらのドラム缶がかじられたようにちぎれている事から、
「ゴジラは原発廃棄物を食ったのか!そしてこのような生体になったのか!」と。
・ ゴジラが噴出した血などの内容から、
人類の100倍も遺伝子構造が複雑な
「進化した」生物として認識される。
・ 東京を中心に、防衛対策が行われる中、今度は
ゴジラは神奈川に現れた。
※ 更に「進化」し、前の2倍も巨大化している。
・ 今度は自衛隊も軍備をつぎ込める限りつぎ込み、
その上でアメリカにも協力要請し、
万全を持ってゴジラ退治にのぞむ。
この時海外は、
原子力で動くとされるこの未知の生命体について
・ 捕獲
・ 殲滅するが研究機関にてその構造を調べる
など、有効利用の方向で既に動き出していた。
・ 機銃掃射⇒効果なし
ミサイル⇒効果なし
戦車榴弾(りゅうだん)⇒効果なし
と、日本の兵器は全て通用しなかったが
アメリカの戦闘機の
なんとか弾(地面を掘って爆発する弾)は
ゴジラの皮膚を貫通し効果を発揮する。
・ しかし、その時ゴジラが赤紫の明滅を始めながら
地面に水蒸気を、そして炎を、
更には光学兵器(ビーム?)を出力し始める。
それらを見届けてから脱出をはかろうとしていた
総理はじめ政府高官は全員死亡。
更には身体中からビームを出力し始め、
アメリカ空軍およびそのなんとか弾も撃ち落とすようになる。
・ ゴジラを攻撃する手段を失った日米連合。
しかし、東京駅真上にて突如動きを停止するゴジラ。
サーモグラフィーなどで調査した所、
熱暴走が原因で300時間ちょっとの間
ゴジラは完全停止する、
しかし次に再起動した時が最後だ、と・・・
・ 停止しているゴジラに攻撃をしかけるが、
例のビームで「攻撃してくるもの」に対して
自動的に反撃する能力を得ている事を知る。
・ 既にゴジラをなんらかの研究に利用する事は諦め、
「ホワイトハウスすら攻撃される確率が10%を超える」との事で
アメリカは国連などを動かし、
東京一帯に核弾頭を落として
数千度を超える炎にてゴジラを滅する事を計画する。
・ 先に出てきたアメリカ外交官が、
「おじいちゃんの祖国が3度も
おばあちゃんの祖国に核を落とす愚だけは
犯させたくない」、と
リーダーに協力し、元教授の更なる情報を提供する。
・ 先のプレジャーボートの持ち主こそ教授であり、
そのメモには
「自分は好きにした、お前らも好きにしろ」の走り書きが。
・ そして、研究室では
「ゴジラの動力はなんなんだ?」という疑問から
ゴジラの顔などから
「あの歯じゃ放射性廃棄物も噛み千切れませんよね」と
冗談交じりに言ってみて、それが正しい事に気づく。
ゴジラは進化している、
その進化の中で「水と空気だけから放射性物質を生み出せる」までに
進化している事に気づく。
核でもゴジラは倒せないかも知れない。
・ そして、元教授が何故か紙で残した研究資料(誰も解読出来なかった)が
「折り紙!」であった事に気づき、
(なんでか忘れたけど)
「ゴジラを倒す手段は、血液凝固剤しかない!」と判断する。
・ 国連のタイムリミットを引き伸ばしつつ、
血液凝固剤を必要量完成させ、ゴジラと戦う
「ヤシウチ(だったかな?)作戦」が提案される。
・ そして、ゴジラ再稼働の日、
ヤシウチ作戦が決行される。
※ ここからの描写は結構かっこよかったです。
まずは東京駅に向かって新幹線(爆弾)が走って行きゴジラを爆破、
続いて無人戦闘機からの連続してのミサイル攻撃、
更には山手線その他東京駅に乗り入れる全車両による攻撃、
それらに対する反撃で熱暴走し、
行動を止めたゴジラに対してポンプ車両が大量に集まり
口から血液凝固剤を投入。
・ そして血液凝固剤投入100%、
しかし動き出すゴジラ、
国連の核攻撃開始か!?
のタイミングで突如凍結するゴジラ。
※ 細かいので説明しませんでしたが、
ここまでの人間ドラマもまた面白い。
最初、傀儡(かいらい)とも思われるほど自分の意見を持たなかった総理が
最後「ゴジラ殲滅の作戦の成否を見るまでは」と残って亡くなったり、
突然総理代行にされた、それこそ自分の意見を持たない新総理が
「ここまで壊れた日本を再度復興させる為」と
自ら責任をとっての退陣を表明したり、と。
戦争で負けた所からの復興や
3.11からの復興などを思わせるものがあります。
庵野監督の「日本は何度やられても復活するぞ!」という
メッセージが込められているかのよう。
・ 最後のカット、完全停止状態のゴジラの顔から尾までカメラが
捉えて回るんですが、
そこで「もしかして光ったりするんじゃないの?」と
観る側に思わせておいて、逆に何もありませんでした。
・ そうそう、リーダー達は、
「もしゴジラが再稼働した場合、300時間以内に東京に
核攻撃する事を許可する」として
国連その他を納得させたとか。
いやあ、書いてみると「そこまで面白いか?」って感じですが、
劇場で観ちゃうと結構面白いもんですよ。
いわば、エヴァンゲリオンの使徒に、エヴァなしで人間が立ち向かう、
そんな映画でした( ´ー`)