itomasa7の日記

2015年09月27日 01時09分

【SUPER SOUND THEATRE『MARS RED』(再演)】感想

昨年辺りに今回と同じ舞浜アンフィシアター
(ディズニーランドの駅の巨大イベントホール)でやった
SUPER SOUND THEATRE『MARS RED』、
その再演なんですよね。

まず、SOUND THEATRE(THEATERではない)は、

総合プロデューサー藤沢文翁が
「新感覚朗読劇」と銘打って
音楽(生演奏)と朗読劇のコラボレーション
+ホールの仕様に合わせて
古流剣術の型/群舞(?)やペンキアーティストのペンキアートやら、
そしてSUPERでは爆炎、爆発、色々な照明効果なんかとコラボする、
一風変わったイベントなんですよね。

で、そこに「一流」の声優陣、演奏陣が
加わることで単に奇をてらったものではない、
「ホンモノ」の朗読劇が出来上がる、という触れ込みの。
(有名所では「夏目友人帳」もやりましたし今年年末もまたやります
(チケット取れなかったけど…))


ただ、普通のSOUND THEATRE
(それもそれほど有名なホールではない所から)を
観てきた自分にとって、
このSUPER SOUND THEATREって結構鬼門な感じなんですよね。


まず、昨年のMARS REDは爆炎その他の特殊効果に走り過ぎて、
物語の方がおざなり感があった

※ 深みがなく、単に多くの声優をキャスティングする為のドラマ、
  というふうに感じました。

その上(集客の為か)有名若手声優陣を集め始めた事により、
「朗読劇を楽しむ」層から「熱烈な声優ファン」に
観客の層が変わってしまいました。

黄色い声やら(声優さんを)「○○くんかわいー」などと叫ぶ、
(自分からすると)ちょっとおぞましい観客女性陣。。。

※ それまでのファンはどこへ行っちゃったんだろう・・・


まあ、そういう訳で最近も
「もう毛色の変わったSOUND THEATREは卒業しよう」と思ってたり、

※ そういう想いがあって1回戸松遥さん出演のイベントは
  二日酔いもあってバックレてしまいました

「チケット高いから他のイベント選んだ方がいいんじゃないかな?」
と思ったり、

※ 今回のMARS RED9000円ですよ!
  どこの大手商業劇団かアニサマだよ!と


「舞浜アンフィシアターとSUPER SOUND THEATREという
取り合わせは特にいい想い出がないし、
今日は体調も悪いし行くのやめようかな」

と、午前中ずっと迷ってました。


まあしかし、今回は「行って良かった」と
思えるものだったんですけどね。




【簡単に内容説明おば】

演奏者その他の方々は省くとして、
朗読の読み手(多分全員声優さんかと)

古川雄大(知らない人)
諏訪部順一(超有名、アーチャーの人で「テツ、俺に勝てるのは俺だけだわ」の人)
石田彰(カヲル君で超人間嫌いと言われてる人)
鈴村健一(色々有名ですよ、歌もうまいし。ただ、代表作迷うなあ。空の境界かな?)
高橋広樹(前作ヴァルキュリアで初めて知りました。声優?俳優?)
堀内賢雄(ベテラン声優さんですが、声は知りませんでした)
沢城みゆき(言わずと知れた女性声優演技派No.1ですよね。今のとこ並び立つ人がいない)
朝倉あき(知らない人)

※ 役名忘れたので声優名で書いてみましたがそれも
  分かりにくいので
  適当に役名を書きます。


●あらすじ
明治/大正の頃、吸血鬼のその能力を
戦争に利用しようと各国がせめぎを削っていた。
そして日本も金剛なんとか隊なる吸血鬼部隊を組織する。

その部隊の結末を、
関東大震災で崩れかけた劇場の中で
逃げ場を失ったS級吸血鬼の外人少年(沢城みゆき)が、
兄と死に別れた(と思っている)1人の女性(妹.朝倉あき)に、
兄のいた金剛なんとか隊の結末について語る形で物語は展開します。


朝鮮である生物兵器を持ち出す任務に当たっていた
兵士(兄.古川雄大)と少佐(諏訪部順一)。

その生物兵器とは吸血鬼(S級1人、ランク外1人)であり、
彼らが暴れて逃げ出した際に2人は噛まれてしまう。

普通ならば吸血鬼に噛まれた者は死ぬのだが、
1000人に一人、抗体を持ったものは同じ吸血鬼となるという。

※ 吸血鬼にはその強さにより、
  S級、A級、B級、C級、ランク外があり、
  S級に噛まれて吸血鬼になったものはA級に、
  という風に1つ下のランクの吸血鬼になる。

兵士(古川)はS級に噛まれてA級吸血鬼に、
少佐(諏訪部)はランク外に噛まれてランク外吸血鬼に。

なんとか陽の光を避けて2人は日本へ戻るが、
そこで金剛なんとか隊の存在を知らされ、
少佐の昔の友人であった大佐(高橋広樹)の元、
他の吸血鬼2人と共に金剛なんとか隊
(長官(堀内賢雄)が極秘に組織した部隊)が結成される。

※ 他の吸血鬼2人は
  300年前に吸血鬼に襲われC級吸血鬼となった兵士(鈴村健一)と、
  日本軍にて吸血鬼の研究中その血を目に浴びてしまった為、
  吸血鬼になった研究者(石田彰)。


そして、兵士(古川)、少佐(諏訪部)は吸血鬼になってしまった為、
「戦死扱い」としてもう会う事が出来なくなった妹(朝倉)や
妻(沢城2役)に、
吸血鬼の俊敏さを利用して
「夢」という形で再開を果たし、
「自分が死んだ事」「頑張って生きて欲しい事」を伝える。




吉原で変死体が見つかり、その状態から
吸血鬼に襲われたものと判断した部隊は、
「可能ならば吸血鬼を金剛なんとか隊の仲間に、
無理なら処分せよ」という命の元、吉原探索を行う。

※ 吸血鬼は自分よりランクが上の吸血鬼のみ
  認識する事が出来る、という設定がある。

ランク外=一番弱い吸血鬼である少佐(諏訪部)は、
=すべての吸血鬼を認識出来る。

ある女郎屋にて吸血鬼の気配を察知するが、
A級吸血鬼である兵士(古川)の気配が察知されたのか、
その吸血鬼には逃げられてしまう。

女郎屋で1人の女郎(沢城3役)とうちとける鈴村。
「またきっと会いに来てください」とかんざしを受け取る。


別の日また吉原で変死体が見つかった事から
調査に行こうとするが、
兵士(鈴村)は趣味のオペラ観賞にでかけていた。

そこで兵士(古川)の妹(朝倉)に出会い、
「同じ軍服を着た○○(兄の名前)をご存知ありませんか?
どうしても兄が死んだと思えないのです」
と聴かれるがなんとか誤魔化す。

そこへ超音波を利用した通信で兵士(鈴村)に
吉原探索の為部隊へ戻るように命令がくだされるが、
丁度オペラの第二幕が開き、
その舞台上には外人少年(沢城)が。

すぐに兵士(古川)より更に強い(多分S級)の吸血鬼である事に気づく兵士(鈴村)。

そして、金剛なんとか隊側にも
吉原にて更なる変死体の発見、
更には浅草など別の地域での変死体の報が続々と入ってくる。

「前に逃がした奴だけではない!吸血鬼が増えている!」

ここでとにかく兵士(鈴村)にS級吸血鬼外人少年(沢城)は放置して
部隊へ戻るよう指令があり、前半終了。




後半。
殺された変死体達の身元を聴いて驚く兵士(鈴村)。
殺された女性の1人は、先に出会った女郎(沢城)だった。

吉原に、今度は吸血鬼に感づかれないようにと、
ランク外吸血鬼の少佐(諏訪部)1人が探索の任に当たる。

※ ちなみに今更ですが、
  吸血鬼は日中行動できない為、
  彼らの行動はすべて夜です。


少佐(諏訪部)はすぐに吸血鬼の気配に気づき
仲間に超音波信号を送ろうとするが
ランク外吸血鬼だけあってこれが上手く出来ない。

しかたなく1人吸血鬼を追う少佐(諏訪部)。

そして吉原の裏手で吸血鬼に話しかけようとするが
襲われ殺されかける。

仲間たち(兵士古川、研究者石田、兵士鈴村)は、
屋敷の上に飛び乗るなどして
なんとか少佐(諏訪部)と吸血鬼を探す。

そしてなんとか少佐(諏訪部)の居場所を見つけるが、
今度は吸血鬼が続々と増えてきていた。

しかも話がまったく通じない。

このままでは首をねじ切られて少佐(諏訪部)が死んでしまう、
唯一の理解者(一緒に苦労したので)を失ったら
自分もどうなってしまうか分からない、
そう思った時兵士(古川)が「覚醒」する。

何人もの吸血鬼を倒す兵士(古川)。

そこへ外人少年(沢城)が現れ、
自分が金剛なんとか隊の「敵」である事、
更には自分と同等(S級)の仲間たちが沢山いる事を告げ、
「また会おう」と去っていく。


この頃大佐(高橋)は体調を崩し、部隊を離れて療養生活に入る。
大佐(高橋)は長官(堀内)に昔命を救われた恩があった。


外人少年(沢城)とS級吸血鬼達の行方を探し、
横浜赤レンガ倉庫が怪しいと気づいた部隊。

そして、自分達よりランクが高い吸血鬼を倒す方法として、
吸血鬼の過敏すぎる嗅覚を逆手に取る事を考える。

赤レンガ倉庫にくさやを投げ込み、ガスマスクをした
兵士(古川)、兵士(鈴村)2人が入り込んで
全員を始末する、という作戦は成功する。


そこへ外人少年(沢城)が現れ、
「自分の役目は諜報のみであり、
はあなた達に敵対するつもりはない。
そして金剛なんとか隊とはあなた達の事ではない、
既に中国、ロシアで日本軍が使用している
吸血鬼集団の事である」と告げる。


そして、自分達の裏で暗躍している人物の存在に気づく。
長官(堀内)。

部隊へ戻り事の真相を長官に問う面々。

長官(堀内)は言う。
反戦派が主流になっている今の政府、
しかし実際に戦争は終わっておらず、
軍備が縮小されれば戦場で死ぬ若者が増えるだけだ、と。

そして、研究者(石田)が見つけたウィルスを利用し、
死人を吸血鬼にする方法を見つけた、
それを中国、ロシアに送り込んで戦わせているのだ、と。

吉原の一件とその調査の命令は、
何故か上手く操れなかった死人吸血鬼達が起こす騒動について、
早く片付けないと政府や軍部高官達に
死人吸血鬼を使っている、という件が露見する事を
恐れての事だった。


「いくら若者を守るという大義名分の為とはいえ、
死人を鞭打つような真似をするのは許せん!」と
長官に対峙する一同(古川、諏訪部、石田、鈴村)。

そこへ帽子とマスクをした1人の死人吸血鬼。
「彼はS級だ!お前達がかなうような相手ではない!」と
長官は言う。

そして帽子とマスクを取るとそれは大佐(高橋)だった。

「あんたは自分を慕うものまで実験材料にしたのか!」と
激昂する少佐(諏訪部)。


そして、研究者(石田)はかつて体調を崩しかけていた大佐(高橋)に対して、
「少しは日に焼けたらどうですか?」と
日焼けマシーン(※研究者(石田)が作った、正式には対吸血鬼兵器)を
大佐(高橋)の部屋に設置していた事を思い出す。

研究者「その部屋に追い込んで!」

かつての友であった大佐(高橋)の変わり果てた姿に怒り、
「相撲だけは負けなかったんだ!」と押しこむ少佐(諏訪部)。

日焼けマシーンのスイッチは部屋の中にある。

研究者「早くスイッチを押してその部屋を飛び出して!」

少佐(諏訪部)「ランク外がS級相手に相撲とってるんだ、そんな余裕ねえよ」

と自分ともども日焼けマシーンで照り焼きにする少佐(諏訪部)。


陽に当たり、身体が炭になってしまう中
正気を取り戻した大佐(高橋)と少佐(諏訪部)は
「ああ、最後にあの天ぷらが食いたかったなあ」とつぶやく。

※ 本物語中、吸血鬼になってから
  用意された輸血用血液以外を口にする事が出来なくなっていて、
  ずっと少佐(諏訪部)は「あの店の天ぷらが食べたいなあ」と
  つぶやいていた。


そして長官はウィルスと共に失踪し本件は終わり。




そして関東大震災、先の崩れかけた劇場の中、
外人少年(沢城)と妹(朝倉)、
妹はさびしそうに見えた外人少年(沢城)に会いに来て
この被害に遭遇し、かなりの怪我をおっていた。

そして意識を失ってしまう。


外人少年(沢城)「・・・しょうがないなあ」

かつて見よう見まねで覚えた超音波で兵士(古川)に
連絡を取る外人少年(沢城)。

「ここはかつて兵士(鈴村)と出会った劇場、
そしてあんたの妹が危ない、
早く助けに来てくれ」、と。


今は日中、
研究者(石田)の開発した日焼け止めクリームを使っても
日の中は15分しか持たない。

そして劇場は遠い。

どうすれば良いのか?

そして気づく、研究者(石田)が一度開発を諦めた、
ダーウィンの羽(吸血鬼の力で羽をはためかせれば人は飛べる、
しかし鉄がその力に耐え切れずに折れてしまう)を
「竹」を使う事で実用化に成功したのだと。


日焼け止めクリームを塗り、ダーウィンの羽を使って
劇場へ急ぐ兵士(古川)。

外人少年(沢城)の超音波による案内もあってたどり着き、
残りの日焼け止めクリームを外人少年(沢城)に渡すと、
妹をかかえて大空へ飛び出す兵士(古川)。


で~ Fin ~




ひさびさ長いあらすじを書いてしまいました・・・

細かい部分は書けてませんが、初演で気に入らなかったはずの本作、
今回聞いていてかなり良い物語になってたんですよね、
分かりやすい(内容から、各役の行動原理からが)。

多分本筋以外の部分で脚本直したんだと思います。


自分は聴いてて嫌な感じはなかったですね、
本物語。


※ ただ、自分の耳が悪くなってるのか(オーディオの聴きすぎで)、
  単に朗読はちゃんと聴こえるんですが、
  演奏とかぶると途端に声が判別しづらくなってしまいました。

  その辺はPLAY BUTTON(本劇の入ったおもちゃ)や
  DVDで補完しますが。。。

あと沢城さんの(今回結局は3役だけでしたが)
兼役(かねやく)が見事でしたね。

それぞれの役になりきり、声やそのペースなどをちゃんと別人として
変えて演じている。

女銀河万丈とはまだまだ呼べませんが、
女山寺宏一を目指して欲しいなあ、と思いました。


で、初演では過剰な爆発その他の演出もマイナス点だったんですが、
今回は同演出なれど必要に応じた範囲にとどめたのかな?
とその辺も好感触でした。


今回は、千葉県の舞浜駅(ディズニーランドの)の
舞浜アンフィシアターまで行った価値はあったかな、
という感じです。


ただ、そう思い直すと12月の「夏目友人帳」が取れなかったのがくやしいなあ・・・
※ 抽選ならともかく先着先行販売なので、
  平日平時に仕事してたら取れる訳ないんですよ・・・

  しかも、今回は同日同時にライブビューイングまでやるという
  イベントの盛り上がりぶり。
  やっぱり神谷浩史、井上和彦コンビは売れっ子だなあ( ´ー`)

  まあ、後からDVD買おうっと。